川北英隆のブログ

冬間近の山に入るには

最近、那須連山の旭岳(1835m)で遭難があった。以前(1999年)に歩いているものの、記憶に薄い。遭難するような場所ではなさそうだが、山深いのは確かである。僕が経験した冬直前の山での荒天からすると、油断があったのだろう。
今年は夏から秋へと急激に季節が進んだ。10月に入り、冬型の気圧配置が早々に登場している。昨日も今日も、冬ではないが、やはり冬型である。こんな時、山の天候が荒れる。
経験が2つある。
1つは吾妻連峰の一切経山(1949m)に登った時である。1990年10月27日と記録にある。確か浄土平までバスで上がった。標高1600mより少し低い。天気は良くなかったが、雨は降ったり止んだりだった。バス停から山頂まで簡単なので登った。
すると一切経山の山頂付近は雪混じりで猛烈な風だった。立っていられなかったので、這うようにして山頂だけをタッチした。ついでに吾妻小富士にも立ち寄りたかったが、一切経山の体験を思いつつ、「またの機会に」にとあっさり断念した。
もう1つは韓国の雪岳山(そらくさん、1708m)である。2008年10月24日にツアーに参加して登った。天候は良かった。しかし山頂は猛烈な風だった。冬の北西の季節風である。
稜線を少し歩いてから、違うルートを下山するのだが、その少しの距離の稜線歩きが凄まじかった。というのも、小石が風で吹き飛ばされ、体に当たる。風の吹く方向を防御しつつ、かつ吹き飛ばされないようにと歩いた。時間がかかった。
ということで、冬の初め、10月の山では想定外のことが起きる。天気図をよく見て冬型の気圧配置になりそうなら、「冬山」を予定しなければならない。断念するか、登るのならそれなりの装備が必要となる。
最近のテレビの天気予報は、親切過ぎの説明をしてくれる。だから通常人の判断能力を喪失させる。杉樽、酒やないから違うな、過ぎたるは及ばざるが如しである。これは気象庁とお天気オッサン、お天気ネエちゃんへの忠告かな。

2023/10/11


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