川北英隆のブログ

動物つながりの一日

先日の山と郡山(大和郡山のタイプミスではない)は動物つながりの1日だった。イヌ、シカ、キジ、ネコの順に登場した。桃太郎の鬼退治ではないが。
福地岳から鎌倉岳に移るために宇田川の堤を歩いていると、何組かのイヌの散歩に出くわした。そのうちの大きなイヌが、後から考えると面白かった。婆さんに連れられていて、日課なのだろう、堤の草原で用足をしたらしい。後ろ足で地面を掻いた。
用足の処理をしようとかかんだ婆さんが、「余計なことせんでもええ」と大きな声で叱るのだが、イヌは自分の責任を果たそうとして必死だ。そんな横を通れば、叱られて機嫌の悪くなったイヌに吠えかかられそうだ。しかも用足の処理に注意を向けた婆さんが手綱を大きく引っ張られかねない。実際は何事もなくイヌの横を通れた。
宇陀にシカは多くないように思う。宇陀は毛皮業者が多い。子供の頃の秋、父親の車で吉野へ行く途中、宇陀地区を通るとたくさんの毛皮が干してあった。
現在、宇陀の山を歩くと実感するのは、林の下草として笹が多いことである。シカが異常に繁殖した山間部では、下草の笹がなくなっている。このことからすると、宇陀のシカは異常に繁殖していない。猟師に狩られているのかもしれない。
今回、鎌倉岳から下っていると、そんなシカの落とし物を見つけた。奈良公園によくある「黒豆」ではなく、角である。写真をアップしておく。山歩き60年、シカの角は初めてだ。
昨年の晩秋に落としたのだろう。「もう片方は」と探したのだが見つからなかった。一時に対で落とすわけもない。それと、鎌倉岳を歩こうなんて奇特なことだから、この半年間で僕が初めて通り、ご褒美に角をもらえたのかもしれない。
さらに下り、林道に出て、記録のために写真を撮ろうとした瞬間、足元でガサっと大きな音がした。「何や」と見ると、草の斜面を大きな鳥が羽根を開いて走り去ろうとしていた。周囲を見渡すと、小さな鳥が2羽だったか、大きな鳥と反対方向に走り去った。
キジである。親が「怪我した弱った鳥や、もうあかんわ」と身振りで示し、ヒナを守ろうとしたのだろう。僕が進むのは親鳥が走った方だったから、歩き始めたところ、親もさらに先を走る。ただし音だけに近かったので写真には撮れなかった。
実家に立ち寄り、門を開けて庭に入ると、タヌキのような物体がトコトコ逃げていった。太ったネコだった。隣の家との隙間に入り、去っていった。ネコが住み着くのは別に構わないのだが、「ネコの用足は堪忍や」。
実家を立ち去るときにも用心が求められる。ネコが建物の中に入っているのに気づかず、うっかり閉じ込めてしまう危険性がある。次に実家を訪れた時、シカの角ではなく、遺体のネコを発見しかねない。建物の戸を閉める時、神様ではないが、手をポンポンと2回合わせてネコ避けをしておいた。
20240513シカの角.jpg

2024/05/13


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