川北英隆のブログ

職業としてのフリーランス

知人とメールで連絡していたところ、「今の若者にとって魅力的な職業とは何か」が話題となった。ありていに言うと、世間的に一番人気の医者がいいのか。到底そうは思えない。
医者という職業の収入は相対的に高いし安定している。とはいえ勤務医は少し高級なサラリーマンでしかない。開業医になると収入は増えるだろうが、個人店主であり、自由に休めない。
それに医者はきれいな職業ではない。感染症が流行るとリスクにさらされる。だから整形美容が人気なのだろう。僕の同級生で医者になったのは、複数が精神科医である。血を見る可能性が少ないから選んだと思っている。
日本人にとって一般的なサラリーマンはどうなのか。伸びる企業ならともかくも、今の多くの日本企業の魅力とは、大企業であっても給料だけだろう。自己の能力の向上は望み薄で、下手をすると能力の低い上司にぺこぺこ仕える必要がある。転職すれば別だろうが、業種によっては転職が難しい場合もあろう。それに転職したところで、新たな会社が当たりとは限らない。
大学の教員はどうか。やたらと門戸が狭い上に、就職すると教育だけではなくて事務に関する義務が多い。給与は低い。今やブラックに近い。
流行りのコンサルタントはどうか。僕が知る限り、一般論だが、尊敬されないコンサルタントが多い。つまり他人に適切なアドバイスをするには能力不足な場合が多すぎる。格好というか肩書がいっちょ前なだけで、陰では「アホやん」と言われているだろう。そんな陰口をイメージすると、「やってられへん」。
起業はどうか。いい選択かも知れないが、それは結果論かもしれない。起業し、成功するには人一倍の能力と努力が必要である。
そんなことをいろいろと考えていると、資格を取り、関係組織で少し働いてその資格を磨き、最後に(数年後に)フリーランスとして活動するのが最高にように思えてしまった。現在、フリーランスとして働く分野で理想に近いのは情報処理関係ではなかろうか。
それなら勤務場所は自由である。現場に出向く必要も多少あるだろうが、最終的には成果物の質が問われるだけ。だからどこで仕事をしてもOKなはずである。今はインターネットの時代だから、南の島の海辺で過ごしつつ仕事ができる。ヤシの木陰に落ちる夕日を見ながらワインを飲める。
さらに書くと、株式投資を副業にしてもいい。これもまた場所を問わない。ワインを飲みながら「今日の株価は」とチェックをし、たまに発注をする。
このフリーランスの生活、億万長者になり、さらにトップ級の億万長者を目指すのが目標の者には向かない。適当に生活を楽しみたい、そのために必要な稼ぎさえあれば満足する者に向いている。
もちろん、生活の将来の相方が、そんなフリーランスの生き方を好んでくれるかどうか。これがもう1つの条件になるかもしれない。

2025/01/31


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