加西アルプスとは加西市のアルプスという意味である。「それで加西市って」とくれば、姫路の北西、加古川の北、三田の西と説明するよりない。鉄道はJRの加古川線と播但線に挟まれている。かつて国鉄だった北条鉄道が第三セクター方式で加西の中心部を走っている。
京都からどう行くのか。4月に歩いた三草山と同様、阪急と神戸電鉄を使い、十三、新開地(神戸)を経由して粟生(あお)に出て、そこで北条鉄道に乗り換える方法が1つである。もう1つは、JR東海道本線・山陽本線で加古川に出て、そこから加古川線を使って粟生に出る方法である。今回は、行きは前者、帰りは後者を使った。運賃は前者のほうが安いのだが、後者の所要時間の方が短い。ただし混む。
今回は現地事情をよく知らないままに計画した。そもそもは三草山の時、粟生で北条鉄道の列車(ディーゼル)が隣のホームに止まっていたからである。同時に、その時に寄った播州清水寺の次の札所が加西市の一乗寺だと知ったからである。ということは、今回の山歩きの発端が、そもそもは山でないことになる。
よく知らないものだから、欲張った計画を立てた。そもそも加西アルプスと呼ばれているが、標高200m少しの山である。そこで一乗寺、加西アルプス、北条町の小山、さらに西に歩いて播但線近くの小山をと思っていた。
ところが、歩いた当日は暑かった。しかも加西アルプスは低山とはいえ、岩場がある。それに低山だからこそ暑さがこたえる。結果、一乗寺と加西アルプスだけ歩き、粟生に戻った。
簡単に書いておくと、一乗寺は一見の価値がある。北条鉄道の法華口で下車する。バスが姫路もしくは社町駅から出ているのだが、バスの本数が少なく、早朝にはないことから、今回は法華口駅から歩いた。片道5キロある。
一乗寺から往路を7割方戻ると加西アルプスのピークの1つ、善防(ぜんぼう)山の麓に出る。東尾根からのルートを登ったのだが、岩場が多く、かつ直射日光を浴びたものだから、251mの低山ながら、途中で休んでしまった。山頂は善防師城跡である。
善防山から少し下り、メインのコースから外れて馬の背と呼ばれる尾根を下った。鋭角的な岩場混じりのピークが3つあるものの、稜線は比較的広く、馬の背の名前に疑問が付いた。
下り切り、古法華寺に出る。重要文化財である日本最古の石仏の1つが蔵に保管されている。その古法華寺から笠松山(244.4m)に登った。帰りは笠松山と善防山とをつなぐ吊橋へぐた、下の車道に出た。
ここまでで時間切れ、車道を歩いて北条鉄道の播磨下里駅に出た。粟生に戻り、加古川経由で帰った。
法華口を出たのが8時45分、播磨下里に着いたのが15時15分だった。
上の写真は善防山、下は笠松山である。
2025/05/15