川北英隆のブログ

播州の一乗寺へ

西国三十三所を巡礼しようとは思っていないものの、それぞれの寺にはさすがの趣がある。だから歩く山から寺が近い時には立ち寄っている。中でも遠方の寺はそうである。
むしろ遠方の場合、寺と山とを一緒に計画している。23年10月の青葉山と若狭松尾寺、今年4月の三草山と播州清水寺はその例だろう。今回の播州一乗寺は、むしろ寺のほうが先にあり、加西アルプスをそれに付け加えた。
神戸電鉄の粟生駅で降り、北条鉄道に乗り換える。粟生駅では神戸電鉄とJRがICカード対応である一方、北条鉄道は車内での現金払いである。知らないとまごつく。
北条鉄道の法華口駅で降りる。この駅は上りと下りが別のホームになっていて、ここで列車が行き違いできる。粟生と北条を結ぶ北条鉄道のほぼ中間地点なのだろう。
法華口駅の南側に出て、西へと一乗寺を目指す。片道5キロある。国道372号線のすぐ北側に旧道らしき道があり、それを歩くのが静かでいい。右手正面には善防山が大きく、やがてその南麓に着く。右手から県道が交わり、国道とも交差する。三口の集落である。
「歩道は」と思って見渡すと、国道のすぐ北側に車1台通れる程度の車道がある。やはり旧道らしく、かつ石碑があるので、遍路用のようだ。
その道に沿って家並みが続き、じきに国道へと少し下る。大きな造り酒屋(福蔵)があり、そのすぐ先で交差点に出る。信号を渡り、南西へ伸びる県道を歩く。車が少なく歩きやすい。
坂本の集落に入ると、新道(車道)と旧道(遍路道)の分岐の標識がある。遍路道を歩いた。集落の外れに獣避けのゲートがあり、それをくぐる。池の横でもある。その先は林の中の上り坂となる。上り切ると山門があり、そこで新道の車道と合流した。
山門の先にも右手に旧道らしき踏み跡が続いていたが、車も少ないので車道を歩いた。坂を下ると駐車場に出る。そのすぐ先が一乗寺の入口だった。受付があり、拝観料500円を払う。奥に石段があり、登ると三重塔がある。もう一度石段を登ると金堂(本堂)だった。
鐘楼の横を通り、裏手から本堂に入って参拝した。廊下から見た三重塔が良かった。紅葉の頃が最高だろう。本堂の後、開山堂と賽の河原まで登った。寺の最奥である。戻りは境内の東側にある放生池を回った。
一乗寺からは往路を三口の交差点まで戻るのだが、坂本の集落へは新道(車道)を歩いた。車が多くないが、距離は旧道よりも長い。三口の交差点からは往路を外れ、北へと県道を歩く。途中、少しだが歩道のない箇所がある。左手に溜池を見て進むと、そのすぐ先が善防山の登山口だった。「本丸登山口」の表示がある。
写真、上は石段下からの金堂、下は金堂からの三重塔である。
20250515一乗寺本堂.jpg

20250515一乗寺の三重塔.jpg

2025/05/15


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