川北英隆のブログ

季節感の喪失

昨日、鴨川縁を歩いていると上空に何かの影があった。小さく、多く、速く動く。何かと見るとツバメである。酷暑が明らかに和らぎ、何とか秋に一歩足を踏み入れるようになった。ツバメもぼちぼち南に立つのだろうか。
以前は9月にツバメが集まり、集団で旅支度をしているのを見たように思った。調べると七十二候に「玄鳥去(つばめさる)」というのがあり、9月下旬の季節感だとある。
日本は南北に長いから、地域によってツバメの去る時期が異なるのだろうが、七十二候のような季節用語は東京から近畿のものだろう。その七十二候は中国の暦に基づきながら日本風に変化し、現在のものは明治に作られたそうだから、最近の気候の変化によって大きなズレが生じているのかもしれない。
もう1つはマツタケである。京都にはタケノコとマツタケの専門店がある。これまでは9月中旬頃に京都産のマツタケが並んだのに、一昨年からか、並ぶ時期が遅くなった。今年はというと(めったに買うものではないから朧気ではあるが)一段と遅いようで、まだ京都産がほとんど並んでいない。店先にあるのは岩泉産と書かれている。
これも調べたところ、今年は気温が高かったことと、雨が少なかったため、生育が遅れているとか。また依然として関西は雨が不足していることから、結果としてマツタケが出ない可能性もありそうな。
日本からまた1つ、季節感が消えるのかもしれない。

2025/10/09


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