
山伏峠の山頂からハイキングコースに戻った。コースは山伏峠の東側から北側を巻き、三国山へと続く稜線の少し東下に付けられている。植生が変わり、落葉広葉樹中心の林になる。中でもブナが目立つ。下草は笹である。時々、木の間から芦ノ湖や三国山が見える。
当日の時雨で湿った落ち葉の道を気持ち良く歩いていると、急に大きく下る箇所が出てきた。高度差にして30mか40mはあろう。しかも段差の大きな階段が付けられていて大変だった。下り終え、小さな沢を木橋で渡ると、いきなり下りと同じような急な登りになる。963mの独立標高点の少し北側である。
多分だが、かつてのコースが沢沿いに崩れたので、その崩壊地を迂回するようにコースを付け直したのだろう。すぐ横を自動車専用道路が通っているのだから、それを歩けるようにしてくれれば助かるものをと思った。
谷から上がると、そのまま三国山への長い登りに入った。落葉広葉樹林の中の道で、その隙間から山頂が見え、それが励みとなるものの、谷から計測すれば標高差200mくらいの登りである。
三国山山頂も落葉広葉樹林の中だった。展望はなく、三角点(1101.8m、点名は三国峠)とベンチがあった。
小休止の後、大きなブナを見つつ湖尻峠へと下った。最初は急な箇所もあるが、そのうち緩やかになる。途中、峠から北へと続く山並みも見えたのだが、金時山は雲の中だったようだ。
下り立った湖尻峠(850m)は自動車専用道路の分岐点でもある。北側に木の伐採された山の斜面が一面に広がっていた。
かつて箱根の西側は牧草と茅葺きの茅を得るため、木が伐採され、山焼きが行われていたそうだ。その跡に生命力の強い笹が茂ったらしい。
湖尻峠から少し車道に沿って進んだ後、東の芦ノ湖へと急な下りになる。植林の中、大きな石の敷き詰められた道である。滑ると骨折する気がしたので、注意深く歩いた。
芦ノ湖の湖面は標高725mだから、そんなに長い下りではない。下り終えると芦ノ湖の周遊路であり、車の通れる幅がある。その道を北に歩くと、湖尻水門に出る。芦ノ湖の水の流出口である。
水門の先で舗装道路に出る。間接的に悩まされ続けた自動車専用道路との合流点でもあった。後は東へと車道横の歩道を歩き、突き当りを右に折れる。少し下ると桃源台のロープウェイ駅があり、その横にバス停があった。
写真、上は三国山の山頂、下は湖尻水門と三国山である。


2025/11/21