川北英隆のブログ

予防接種と町医者

親切にしてもらっていた町医者がコロナ勃発の直後に(コロナが原因ではなく)亡くなった。おかけで今は医者を放浪する状態だ。とはいっても京都はちゃんとした診療所があり、病院もあるから心配は不要に近い。
京都とは医療環境が別次元の地に住んでいると、困ったことが起きる。国分寺と国立の市境に住んでいた時がそうだ。家の近くは、元の藪が切り開かれて住宅地になっているのにヤブ医者が多く、カミさんがブツブツこぼしていた。医者とほぼ無縁の僕にはあまり支障がなかったと記憶している。
京都に来て時々医者に行く。でも地域には分野別の名医が多い。その名医を知ってしまうと、簡単に行けるので、専門分野かかりつけ医となる。京都に遊びに来て欲しくはないが、住む分には推奨しておく。
そんな中、今日は時間ができたのでインフルエンザの予防接種のため、近くの診療所へ歩いて行った。個人の診療所より大きく、検査設備も一揃いある。ただし医者は高齢化し、雇われなのが問題かもしれない。
インフルエンザの予防接種だが、この診療所では書類にいろいろとチェックをさせられる。その上で医者の問診がある。何を聞かれるのかと思ったところ(コロナのワクチンの時もそうだったが)、事前に印を付けた書類の項目を再度質問するだけであり、こちらの顔も見ない。そんな質問の後、予防接種OKのサインをする。その後、看護師が接種してくれる。
この看護師の顔を見て、ようやく安心する。というのも医者よりも看護師の注射の腕が上だから、「あの医者やなくて良かった」だ。とにかく医者の注射は多くの場合、下手くそである。コロナの時、注射針が神経に触ったのか、瞬間ビリリときた。静脈注射などは針が血管にうまく入らず、注射した部分から内出血する。
しかし予防接種に関する(薬品代金を除く)多くは医者に行くのだろうなと思う。こんなアホな制度だから、日本の健康保険が財政破綻の危機に直面しているのだろう。もっと簡潔にすればいいのにと思いながら、かつての学校での予防接種では何も質問されなかった記憶が蘇った。
医療制度を形式ではなく、実態に即して再構築しなければならない。診療の多くが機械に頼っているのなら、AIの判断に基づく診療をベースに、ちゃんとした医者が最終判断だけを下す制度にすべきである。僻地における遠隔診療は人道的に当然である。それにつべこべと反対する医師会なんて、算盤主義の手本だろう。
と書きつつ、高校1年の夏、医者になると友人達に話したことを思い出した。友人は「へえー」と感心したようなバカにしたような。「お前には向いてへん」と言いたげだったのだが、その友人達のうち2人が医者になった。その友人の医者、ヤブだったかどうかは知らないが(僕は診てもらっていない)、今は医者ではなく、1人は亡くなり、1人は完全にリタイアしている。

2025/11/26


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