川北英隆のブログ

NISA貧乏の元凶は他人任せ

テレビを観ていると、NISA貧乏が国会で質問されたとか。「何のこっちゃ」と思ったところ、「老後の不安」を信じ、生活設計なしにNISAに思いっきり資金を投じる若者が多いらしく、今は困窮に瀕しているとか。これに足元の株価急落が拍車をかけているらしい。
瞬間、「何も考えてないのやな」と思った。同時に、最近の天気予報を思い浮かべた。何かと言えば、「明日は雨があるので傘が必要」とか、「明日は寒いのでコートを着ましょう」との類の「アドバイスめいたおせっかい」である。
前にも書いたと思うが、僕の母親が老齢になるとともに、「水を飲む時には喉を詰まらせないように」と注意したのを思い出す。カミさんがそれを聞いて馬鹿笑いしていた。今やそれと同じ類のことが、国営放送などを通じて日本国民全体に生じている。
そんな手取り足取り口取りのおせっかいに、最近の若者は頼っている。NISAに関しては、たとえば給与の何割を充てればいいのか自分で考えず、知人から「毎月、何万円をNISAにしている」を大いなる参考にしているのだろう。だから生活費とNISAへの投入額とのアンバランスが生じる。子供への教育費を考えないから、入学によって資金不足になる。株価の下落を想定しないから、株式の換金を迫られて損失が生じる。
しかも観ていたテレビは、「NISAで困れば中立的なアドバイザーへの相談」を推奨していた。それが1つの手段なのは確かなものの、その前に必要なことがある。何なのか。今までの自分自身のNISAへの対応に反省をし、何が問題だったのかを頭の中で整理したうえで、相談したいのであれば相談すべきである。
NISAでの株式投資も同じである。多分だが、知人のSNSなどから「この株が上がってる、投資したらええで」と言われ、それを完全に信じているのだろう。だからそんな(客観的に意味のない)株に人気が集中し、異常な値上がりになる。一種のバブルである。そのミニバブルが最近になって崩壊し、これもまた、別の意味でのNISA貧乏を生じている。
NISAとは、節税をともないながら金融資産を効率的に形成する手段であり、手段でしかない。別の表現をするのなら、群がって投機するための手段ではない。こう考えると、SNSとは相性が悪い。そのくらいのことは、少し頭を働かせ、自分で考えればわかりそうなものだが。やはり思考力を問わない戦後の詰め込み教育が悪かった、そう考えさえざるをえない。
間近に迫っているAIの世界においては、やはり日本人の多くはAIの奴隷になってしまうのだろうか。もっとも、「戦後以降の詰め込み、他人任せ」の文化の転換のために、まだ少し時間が残っていると思うのだが。

2026/03/23


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