川北英隆のブログ

日本企業に何が必要か

昨日(11/9)の証券面の署名入りコラム「一目均衡」は「円高に過剰に反応して海外展開を急ぎすぎるのは正しくない」と主張している。それは一面真理なのだが、かといって、これまでの日本企業は能天気すぎたのではないかと思えてしまう。
日本企業の能天気ぶりを助長したのは政府であり、政府のために働いた一部の経済学者である。日本の潜在成長力は高い、物作りを極めれば日本が最高に輝く日が再びやってくると、しきりに煽り立てていた。2006、7年頃だっただろうか。2008年の春に原稿を書き終えた『株式・債券投資の実証的分析』の少し前だったから。
その時に覚えているのは、人口の減少する国が無理をすると碌なことはないという思いである。当時、円安が進んでいたこともあり、かつまた「将来の日本経済の成長」を信じさせられたこともあり、企業の海外展開が鈍ったと思う。極端な精神論をかかげ、手には竹槍だけで戦車に突き進むという、ドン・キホーテ顔負けの「神がかりの国日本」になるのはこりごりだ。
12/1に発行される予定の「証券アナリストジャーナル」12月号に、企業の海外進出に関する分析をまとめておいた。それによると、「一目均衡」に血祭りにあげられたアイワはともかく、海外で活躍する企業の株式市場での評価は平均的に高いのである。
現実を冷静に観察、評価し、例外に怖れることなく、将来への戦略を描き、それに基づいて積極的に行動すること、これが現在の日本企業に求められている。それがなかったから、日本企業の国際的な地位が急速に落ちているわけだ。

2010/11/10


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