川北英隆のブログ

万年筆ヒヒヒ

以前から万年筆を買おうかなと思っていたところ、思いがけなくもらってしまった。インクが付いていなかったので、「どこで売ってるんや」と思いながら、大丸に出向いて買った。ヒヒヒだ。
大学時代は万年筆を使っていた。試験の答案はどうしたのか。多分、その時だけは鉛筆だったように思うが、授業のノートは万年筆を使っていた。それも青いインクだった。会社に入り、鉛筆かボールペンになり、そのうちにワープロになってしまったが、それとともに字も下手になった。「元々、幼稚な字しか書けないやん」と、昔からの友達には言われそうだが、でも筆圧が高くないので、鉛筆やボールペンはとくに苦手である。
試し書きしてみた。やはり筆圧がなくてもすらすら書ける。いつだったか、ボールペンが書く文化をダメにしたとかいうエッセイを読み、まさにそうだと思った。今日、改めて万年筆で書いてみて、その思いを強くした。
インクは100円ショップでは売っていない。万年筆の文化は絶滅危惧種なのだろう。大丸の文房具売場にもインクは並んでいなかった。ただし万年筆のブランド品がショーケースに飾られているので、そこの売り子に(店員かな)、「インクはないの」と尋ねた。万年筆のメーカーを聞かれたので、「何でもええ」と答えた。微妙に色合いが違うそうだ。上手な字ならともかく、少々の色合いなんか問題ではない。ショーケースの裏側からパイロットの瓶入りインクが出てきた。400円プラス消費税だった。ただし買ったのは青ではなく、万能に近い黒だが。
帰り、大丸の地下に降りた。食料品売り場が好きなので。洋菓子売り場の近くを通ると、若い女性が「◯◯、おいヒヒ」と半分叫んでいた。いつから「うれヒヒ」とか「おいヒヒ」とか、蓄膿症の発音が蔓延しつつあるのだろうか。でも今日ばかりは万年筆が使えるようになって「ヒヒヒ」だから、ちょっとだけ許しておこう。

2011/10/27


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