川北英隆のブログ

台高山脈の明神平

ニュースを見ていたら台高山脈の明神平で合宿をしていた中学生が予定の日に下山しなかったという。遭難した可能性もあるというので捜査願いが出たとか。なかなかいい山なのだが。
台高山脈とは、大台ケ原の「台」と高見山の「高」を合わせた呼び名である。奈良と三重の県境だ。昔、大学卒業前後によく入った山域である。大台ケ原を除き、1500m未満の山域なので、夏に入れば暑いだろうが。
遭難騒ぎのある明神平(1400m)から北に高見山までは一般の縦走路がある。明神平には小屋があった。今はどうなっているのか知らないが、国土地理院の地図でみるかぎり、まだ小屋が残っているようだ。小屋の一帯は草原になっていて爽快だった。
静かで、秋がいいと思う。晩秋、明神平から南に池木屋山(1395m)まで縦走したこともあった。池木屋山の山頂は奥深く、ブナだったと思うが落葉樹に覆われ、昼寝するのに最適だった。
奈良県側から明神平に入るには、大又という村から沢を詰めるルートと、その沢の南側の尾根を登り、薊岳(1406m)経由のルートとがある。
その薊岳ルート経由で明神平に泊まり、高見山まで縦走したことがあった。初日は明神平までというので、午後遅くに登山を開始したところ、薊岳を越した付近で夕方となり、薄暗い林の中で道を見失った。「野宿かな」と覚悟していたら、満月近い月が昇り、その皓々とした光で道が判明した。ようやくたどり着いた明神平はススキの波の中だった。翌日、高見山までの縦走の時、相棒が「浴衣の君はすすきのかんざし」と歌っていた。アホなやっちゃである。
低いながらも奥深く雨の多い山なので、遭難騒ぎは付き物なのだろう。
追記:その後のニュース速報によると、明神平から薊岳へのコース付近でそれらしき一行が見つかったとのこと。

2012/08/14


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