川北英隆のブログ

日本企業の定義って何なのか

今日、盛り上がった話題があった。日本企業って何なのか、国籍(本店の所在地)で区別することにどれだけの意味があるのか、そういう話題だった。
話題の発端は東京エレクトロンである。知る人ぞ知る先端企業であり、半導体製造装置の世界第3位のメーカーである。時価総額は1.28兆円と大きい。この東京エレクトロン、世界第1位のアプライド・マテリアルと経営統合し、オランダに持ち株会社を作って、形式上、それぞれその傘下に入る。この結果、東京エレクトロンはオランダ籍の会社となり、東証第1部の上場規定にそぐわなくなり、外国部に上場替えになる。
そうすると、東証株価指数の計算から除外される。また、鳴り物入りで始まったJPX400から外されることも発表された。
この東証の措置は正しいのだろうか。現在の東証の規則としては「そうやろな」であるが、規則を変更することは簡単である。日本経済のために、何が望ましいのか、その判断さえあればいい。
考えてみると、日本の製造業の有名企業で、海外の比率が半分を超えている例は山ほどある。東京エレクトロンの経営統合も、世界的な競争力を維持するための戦略であるから、今後の日本企業の生き方として高く評価できる。今後、日本の製造業が実質的な本社を日本の外に移転することだって十分に考えられる。誰が、この経営戦略にケチを付けられるのか。ケチを付けたとして、最後まで責任を持つのか。今回の東証の措置は、日本企業の生き方に水を差すものだと思えてならない。
利に一番聡いはずの証券業界、その親分である東証(現在のトップも証券会社出身者)が、ひょっとして国際化に一番遅れているのではないか。今日の話題の締めくくりは、「これじゃあね」だった。

2014/08/22


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