川北英隆のブログ

来年の講義の仕込みを開始

今年の寄付講義「企業価値創造と評価」が終わった。これから恒例の出版のための準備に入る。同時に、来年はどの企業に登壇してもらうのかを考えないと行けない。その第一弾として、任天堂への依頼を始めた。
講義録の出版は、『京都企業が世界を変える』、『京都大学で学ぶ企業経営と株式投資』、『京都大学の経営学講義 いま日本を代表する経営者が考えていること』と続いている。最初の2冊は金融財政事情研究会から、後の1冊はダイヤモンド社からである。今年の講義もダイヤモンド社から出版する予定である。
この3冊に登場していただいた企業は、講義の日時順に、オムロン、日本電産、堀場製作所、島津製作所、ワコール、クボタ、リンナイ、京都銀行、小林製薬、京セラ、積水ハウス、ホシザキ、大和ハウス、シスメックス、カルビーとなっている。そして次は、サントリー、ピジョン、セブン銀行、ライフネット生命保険、不二製油である。
この実績を携え、台風が近づく中、任天堂の本社に説明に行った。旅行で知り合ったMT氏が任天堂の社外取締役だと知っていたので、彼を仲介者として、君島社長への打診をしてあった。今日は、秘書部門への説明と資料の手渡しだった。引き受けてもらえるかどうかはまだ不明である。
任天堂の本社は市営地下鉄の十条駅から近いから、普通は歩きである。しかし今日、台風が接近している。京都駅からタクシーかとも思ったが、雨の日のタクシーは混む。幸い、午前中のアポだったので、台風の影響はまだ少なかった。それで、十条から歩いた。
大学生の時、近鉄で実家の郡山から京都に行く途中(というか、京都が近づくと)、任天堂の建物が見えた。花札で任天堂の名前は知っていた。
当時、任天堂は仕手的な要素の強い株式だった。買おうかな(父親に買わせようかな)と思わなくもなかったが、仕手的な株式を父親はあまり好んでいなかった。というのも、はるか昔、海運株で損失を被り、その反省から仕手っぽい株式に手を出さなくなっていた。
創業者(山内氏)の実家は京都の三宅八幡宮(岩倉の近く)にあったという。僕の元上司がその近くに下宿していて、そう語っていた。僕は確認していない。
残念ながら、創業者も、その後を継いだ社長も死去した。とはいえ、ゲームという、ある意味で王侯貴族の趣味の世界を大企業の産業に発展させた任天堂、講義に登壇してもらえれば非常に興味深い。
嵐の直前、任天堂の本社を訪問したのも、かつての仕手株、今のゲーム世界の王様に相応しい状況設定だったように思う。

2017/08/07


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