川北英隆のブログ

テレビの画質は重要なのか

今日の日経13面の真ん中に、論理的に矛盾するような記事があった。「4K・8K準備本格化 解像度下げ電波確保」という記事だ。この矛盾、記者の問題ではなく、NHKをはじめとする放送局の問題である。
要するに、4K、8Kの放送のために電波帯がたくさん必要となるのだが、そのために既存の放送の画質を落とし、電波帯の枠を空けるとのこと。既存の放送の画質を落とすことになる(フルハイビジョンがハイビジョンになる)のだが、NHKなどは「体感レベルでの画質は変わらない」と説明しているらしい。
ここがどうも理解できない。フルハイビジョン(2K)が普通のハイビジョン(K)になっても(つまり画素数が半分になっても)、画質の変化が感じられないのなら、フルハイビジョン2Kと4Kの差(画素数が倍になる差)はどうなのか。説明を借りれば、「体感レベルでの画質は変わらない」はずだと思えてしまう。
たとえば、パソコンで画像を処理する場合、注意深くないかぎり、画素数を落としたとしても、差を感じるのは難しい。そんな差よりも、アングルやピントの差の方を強く感じてしまう。
繰り返せば、今の2Kが4Kになったとしても、多くの場合、差を感じることがないだろう。つまり、2KをKに落として差がないとの主張なら、2Kを4Kにしたところで差があるとは到底思えない。
そこで思うのは、真ん中の2Kをなくして、Kと4K、さらに上の8Kだけにして差を強調しようというのが、NHKをはじめとする放送局の究極の作戦なのかと。つまり松竹梅のメニューを松(もしくは特松)と梅だけにして、なるべく松を選ばせようという作戦である。そんなことなら、庶民的には竹で十分である。
アホらしやというか、せこいというか。そんな作戦に乗ってはいけないと思えて仕方ない。いずれにしても、わが家は4Kテレビなんて買わない(大きなテレビを買っても置き場所がない)のだが。

2018/01/17


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