川北英隆のブログ

丸井は顧客とどう付き合うか

6月28日、京大での「企業価値創造と評価」では丸井の青井社長に講義してもらった。関西での丸井(マルイ)の認知度は東京ほどではないと思う。とはいえ、2011年、京都の四条河原町に出店している。大阪と神戸にも店があるらしい。
丸井、実は証券アナリストとして1980年代前半に担当していた。丸井が急成長していた時代である。当時は金融も担当だったから、丸井はぴったりの企業だった。
少し説明しておくと、丸井の創業は家具の月賦販売である。要するに「小売+金融」が本当の業態である。1980年代はカードで伸びていた。カードの分割払い(リボルビング払い)が丸井の収益を支えていた。
「そんなん誰でもできるやん」ってとこだが、当時、カードの審査にノウハウがあり、他社に真似できないとの説明を受けた記憶がある。できるだけカード会員を増やしつつ、片方で貸し倒れを少なくするノウハウである。
今回、青井社長と話したところでは、現在もそこにノウハウがあるらしい。他社で拒否されるような申込みも、ギリギリの線までOKを出し、カードを発行している。それでいて貸し倒れ率が高くない。
今の丸井はそれだけではないようだ。
リーマンショック前後に丸井は赤字に陥った。その後再び急成長しているのだが、その背景には顧客目線の徹底があるらしい。顧客の意見を聞き、従来の業界の慣習にとらわれずに店舗設計をしていく。店舗の位置づけを考えていく。今後のテーマがネットであることだけは間違いない。
30年ぶりに丸井の事業にいて創業家の青井社長から聞くことができ、興味深かった。残念なことに、青井なのにどうして丸井なのか、どうして赤い色をコーポレートカラーにしたのか、何かの洒落なのかを聞き損ねたが。

2018/07/01


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