川北英隆のブログ

外国人労働者は第二の徴用工か

政府は外国人労働者の受け入れを拡大する方針である。単純労働も含まれている。これまでコンビニで外国人がレジをしている姿を見るたび、「ここはどこ」と思う。「私は誰」とは思わないが。それなのに、「さらに増やすのかいな」、「どうなるのや」と心配である。
朝鮮半島を日本が支配していた時代、朝鮮半島からの労働者をあの手この手で使ったらしい。当時の待遇をめぐり、現在の韓国で裁判沙汰になっている。いずれ北朝鮮も例外ではないだろう。
韓国大法院(最高裁に相当)は日本企業に対する賠償責任を認めた。この判決が過去の日本と韓国との合意に反するとの批判が国内では強い。一方で、両国の合意が、実は本質を避けた曖昧なものだったから、当然に近い結果だとの見解もある。
真偽のほどはともかくも、当時の日本は戦時体制に突入しつつあり、人手が足りなかった。だから、統治していた朝鮮半島を労働者の供給源としたのは確かである。しかも外国人だからというので、待遇は日本人を大きく下回ったのだろう。
今回の外国人労働者の受け入れ拡大も、底流にあるのが企業側の要請だとしか思えない。戦時中の状況と大差ない。
雇用を拡大したとして、その外国人労働者への待遇がどうなるのか。日本人を含めた非正規労働者の雇用を垣間見るに、正当に扱うとは到底思えない。そもそも企業側とすれば、労務費圧縮の手段として外国人労働者をできるだけ多く集めたいのが本音だろう。とすれば、正当に扱う理由が企業の論理としてはない。
新たに雇用する人数はというと、今回の政策案は非常に多い。これまで雇用してきた人数と合わせれば相当な勢力となる。その外国人労働者が結集し、企業の待遇を不満だと訴える可能性が出てくるのではないか。
外国人労働者の母国もまた、母国民の待遇改善を求め、日本に不満を訴える可能もある。こうなると、現代版徴用工問題である。
日本政府はここまで考え、対応策を考えているのか。対応策の本筋とは、企業に対して、日本人も外国人も無差別に雇用すべきだと要請することである。単純に、企業から労働力不足を訴えられたので、それなら外国人労働者を増やせばいいと単純に考えているのなら、将来の大きな過誤を生み出しかねない。
今回の政策が隠れ移民政策かどうかはともかく(僕はなし崩し的に事実を積み上げる、えらくずっこい、女の腐ったような:女性陣には悪いが、男をけなす表現なのでお許しを:政策だと思っているが)、その前にちゃんと考えていてほしいことがいっぱいあると思えてしまう。

2018/11/19


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