川北英隆のブログ

自己都合のせこい経営者多し

最近思うのは、大手企業の経営者の質の低下である。日産自動車は単純そのものだが、それ以外にも隠れ「せこい」事件が生じている。
「せこい」とは、辞書を引くと「けちくさい」、「みみっちい」とある。要するに自己本位で、ほんのちょっとした利益を目的として、周りのことや大義を考えない様だろう。
日産自動車の外人および日本人トップの(最高の権限の保有者の)場合、報酬として普通では使い切れないくらいの大枚をもらっていたのに、さらに上乗せしようとの目的で違反行為をしたという。自分でしなかったとしても、部下がそのトップの意向を察知し、代行したように思える。要するにゼニの亡者と、その一族郎党である。
そうとはいえ、この日産自動車の事件は単純である。人としての欲の表現が明快だから、「アホやな」とすぐに評価できる。少し大所高所から言えば、企業に対する社会的な要請に反する行為をしたのだと、明快に断じられる。とくに大企業に対して要請されている責任の観点からすれば、日産自動車には電気自動車などの環境対策車に対する期待が強かった。その社会の期待を裏切る行為でもあった。
日産自動車ほど明確ではないものの、社会の期待を裏切っているのが通信会社、現在のところ、具体的にはソフトバンクとKDDIである。通信会社には、携帯電話に関する先端的な競争を行い、安くて大量のデータのやり取りを司ってほしいと期待されている。そのため、今まで及び腰だった総務省が競争を促進する観点から、かなり抜本的なルールの改定を実施しようとしている。しかし、両社はその裏をかくような料金設定をした。
情報によると、4年間の分割払いによって対象機種を購入し、2年目以降に指定する方法で指定機種(新しい機種のことだろう)を購入した場合、査定完了日が属する請求月の翌請求月以降の旧機種(先に対象機種とされた機種)の分割支払金の支払いが不要になるプログラムだそうな。以上のほとんどはソフトバンクのホームページの謳い文句をコピペした。
このホームページには何も書いていないが、当初の契約以降100日間はソフトバンクの携帯しか使えないらしい。
KDDIも(バカバカしいのでホームページを見ていないが)ソフトバンクを真似たようだ。
以上、何のことやら普通では理解不能の文章なので、少しだけ注釈を付けたが、要するに条件を満たせば、スマホのハードの代金が半額になるとのことらしい。つまり、当面のところはアップルの最新機種を半値で買えることを撒き餌にして、契約者を煽っている。一方の通信料金はあまり安くしないらしい。
携帯を、機材と通信料金を含めて安く使えることが社会的に望ましい。もちろん、通信会社が然るべき利益を得ていないのなら、「安かろう、悪かろう」になってしまうものの、今の通信会社は携帯で大儲けしている。だから、総務省が重い腰をようやく上げたともいえる。一方の通信会社は、今後とも今までのように大儲けしたいらしい。
この通信会社の願望と行動こそ、社会の要請に背く行為である。多分、大親分が「もっと儲けろ」と暗に命令しているから、子分が「考えやした」というところなのか。何か考えないと首にされるだろうが、今まで大枚もらっているはずだ。隠れ「せこい輩」としか言いようがない。

2019/09/14


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