川北英隆のブログ

新たな自衛体制の確立を

今回のコロナ問題は、ある意味で戦争である。どの国も自国の防衛で手一杯、他国のことを気遣う余裕に乏しい。それは仕方ないとして、近い将来に気になるのが、今回のコロナを真似た本当の意味での戦争というか侵略行為の発生である。
コロナのウイルス、人為的に作られたものなのか、生物兵器として研究中のものが誤って外に漏れたのか、完全に偶然なのか、どの説が正しいのかは判明しない。現時点はそれぞれの説に関する証拠もない。
ただし、確実に言えることは、今回のウイルスが引き起こした大混乱を参考にし、「兵器」を開発しようとの動きが高まることである。潜伏期間が長いにもかかわらず、潜伏期間を含めて伝染力が強く、一旦発症すれば長い入院が必要であり、致死率が高い。
素人考えかもしれないが、これは兵器として最適だとしか思えない。しかもウイルスだから、怖いもの知らずを数人雇いさえすれば、簡単に他国に運べ、ばら撒ける。しかも証拠が残りにくい。自国に跳ね返り、伝染してくることを想定して、事前に治療薬かワクチンを開発しておけば完璧である。こんな発想を抱く者はワンサカいるだろう。
兵器は急速な進歩を遂げた。強力になった。それだけに目立ち過ぎの感がある。ミサイルの発射実験でさえ大騒ぎの対象である。混乱した国に内戦を引き起こす場合は例外として、他国に侵略することは事実上不可能に近い。侵略できたとしても100倍くらいのしっぺ返しを食らいかねない。
こう考えると、コロナ型ウイルスによる静かな攻撃というか将来の兵器については、次のように言える。すなわち、他国を密かに狙う勢力がいたとすれば、彼らにはコロナ型ウイルスが魅力的に写ったに違いない。
ところで、そんな静かな攻撃に対して、我が国は対応可能なのだろうか。今回、幸いなことに非常に大規模な社会実験ができた。その結果はというと、誰もが思うように、対応が遅いし、チグハグだし、防衛するための手段(たとえばマスクや検査)も皆無に近かった。台湾、韓国、ドイツが相当上手に対応できたのは、日頃から危機意識が高かったからではないのか。
今の日本の政権は憲法9条を変えたがっている。一般論として、僕としても憲法を変えることに反対ではない。制定から75年近く経った条文が、現在もそっくりそのまま通用するとは思わないからである。
しかし、憲法9条を自衛権の観点から変えるのであれば(まさか他国を侵略したいがために変えるわけではないだろうから)、今回のコロナを踏まえた「静かな戦争の脅威」に備えた改正であるべきだ。そんなことを今まで夢にだに想定していなかった(そうとしか思えない)のはあまりにもお粗末だが、今からでも遅くないだろう。

2020/05/01


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