川北英隆のブログ

京風の美味くない事例

京風、何でもかんでもありがたがる理由はどこにもない。以前書いたが、京風モンジャは笑える。そもそもお好み焼きは関西風か広島風しかないと思う。同様に、京風とか京なんちゃらと命名するのは、それがいかがわしい証拠である。
今日食べたのは京風奈良漬けである。京都に引っ越した頃、錦を歩いていてつい笑ってしまい、「京風奈良漬けやてえ、何やそれ」と口に出したことがある。店のネエちゃんが笑っていた。
京都、伝統を重んじ、独自性を発揮する店が多いのものの、観光客向けとか、地元の食材向けに「真似っ子乞食」をしている店もある。典型が「京風」である。まあ京風と命名しているところが正直なのだが。
それで、京風奈良漬けに戻る。カミさんが「スイカの漬けたんを食べたい」といって、今日買ってきた。奈良漬けの有名なものにスイカがあり、それが微妙に甘くて、しかも深い味があって美味い。亡くなった母親が好きだった。それを思い出して買ってきたようだが、今日の京風は買ってきた本人が言うに、「甘すぎる」と。
「そしたら、漬物は口直しやけど、口直しの口直しがいるな」と、2切れ味見をした。確かに本物の奈良漬けのスイカの足元にも及ばない。それでいて値段は一人前らしい。仕方ないので、別の漬物屋の糠漬けを食べた。
ということで、京風に騙されてはいけない。とはいえ、奈良で本物の奈良漬けを買うには時間と交通費がかかるし、ネットで買うには送料が必要やし。と、スイカを食べたい時には京風で我慢するしかないのかなと真剣に悩んでしまう。

2020/09/14


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