川北英隆のブログ

女性的文化に日本の優位性

ネットでふと見たニュースに感心するやら笑うやら。上野公園では「新型コロナウイルス感染拡大防止のため、(園内の)大通りを片側通行にした」とか。確かにそうだろうが、「もっと他にやるべきことがあるやろに」と思う。
日本人は細かなことに気が利く。だから普段は気持ちがいい。でも、普段行かない場所や見えない場所では別の側面がある。たとえば食堂はこざっぱりしているのに、都市部近郊の里山には不法投棄のゴミがあちこちに散乱している。
今回のコロナの問題では不手際だらけである。ダイヤモンド・プリンセス号での感染とその対応に始まり、PCR検査、濃厚接触通知アプリのアップデート、軽症の感染者の隔離、病院でのコロナベッド数など、いろいろと思い出される。とはいえ、最前線の病院では最善が尽くされている。
思うに、日本人の気質として細部を見て行動するのは得意なのだが、他方で全体を見て何を優先すべきなのか、時間軸において行動計画をどうすべきなのかなど、状況の変化に対応しつつ細部を1つに統合することが不得手なのだろう。
経済を眺めても、部品メーカーとして世界的に活躍する企業が多いものの、それらをまとめ上げ、活躍している企業に乏しい。かつて家電メーカーが活躍したではないかとの反論があるかもしれないが、多くは欧米を後追いしたものだった。今も隆盛を極めている自動車だが、やはり然りである。
日本人の優秀さは認めるが、それはユニークな発想力からではない。細部を見て、それを改善できる優れた能力である。
この点は、日本の文化の発展に関係するのかもしれない。オリジナルな文化が中国から、もしくは朝鮮から流入し、それに独自色を付けつつ発展してきた歴史である。明治以降は欧米から文化が流入したが、同じことが繰り返された。
ある意味で女性的な、細部によく気の利く文化である。唯一違うのは安土桃山の大名乱立の時代だろうか。当時の美術にも独自色がある。その乱立が徳川によって平定されると、再び女性的文化に戻った。
これは東南アジアも同じかもしれない。気候的に豊かな国土だから、男の腕力と侵略に頼る必要性に乏しい。そんな文化的な特性というか本質を理解せずに、世界と戦争をし、ジャパン・アズ・ナンバーワンとおだてられ、その気になった日本の男性がアホだったのか。女性蔑視の日本の男性の言動は、天に唾するようなものだろう。
話しが飛んだが、新型コロナに対しては欧米をしっかりと見習い、対応するのが肝要だと思えてならない。日本の官僚が自分で考えられれば別だろうが、この1年間を見るかぎり、やはりそんな能力はなさそうだ。とにもかくにも見習うのが最短、最善である。

2021/02/23


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