川北英隆のブログ

コロナの事実から悟ったりや

正確なところが何やら知らんし、知ろうとも思わないけど、「日本の人口当たりコロナ感染率が少ない、だからオリンピックをやらんのはお笑いだ」との政府の傍流関係者の見解が話題なそうな。これって1年近く前の「神国日本」的な見方かな。
日本の人口当たり感染率が少ないのは、それは事実である。理由はいろいろあるだろう。島国で海外との人の出入りが限定されることも大きい。日本の住民や住宅の衛生管理が行き届いていることもある。それに加え、従順な国民性だろう。マスクとアルコール消毒液が瞬間蒸発したのも、日本の国民性ならではだと思う。
そんな日本人の、外から眺めるともらい泣きしてしまいそうな努力と従順さを、神国だから、特異な体質(遺伝子)だからと見立てた者がいた(元寇の時代かいな)。これがお笑い草だったのは、第2波以降、感染者数の増えるスピードと、そのピーク水準とが上昇しているデータをちらっとでもいい、見たら明らかである。今回の波で、東北、中国、四国、九州といった地方でさえ急速に感染者数が増えている事実も見てほしい。
僕もそうだが、周囲の誰に聞いても「疲れ果てた」である。年寄りなんかは(僕も同類か)、「もうコロナに罹って死んでもしゃあない」とさえ言っている。
1年間の猶予(対処する時間)を、厚労省をはじめとする政府に与えるため国民として我慢した。なのに、「1年経ってどこが進歩したんや」「ブレーキとアクセルを同時にいつまでも踏んでて、まるでボケ老人の運転やん」と誰もが思っている。
かえって事態が悪くなり、コロナに罹っても病院にも入れてもらえず、見殺しにされてしまう。そんな怖れが国に蔓延しつつある。「ここはほんまに先進国日本かいな」と。何台も通るようになった救急車のサイレンだけが先進国の証なのか。
政府を基本的に支持する日経新聞の論調に変化が見られるのは、以前(4/24)に書いたとおりである。政府の行動に苛立ちを感じ始めているのだろう。もしくは、コロナ対応に関して政府の擁護を続ければ、読者から見放されると感じているのだろう。
医師会幹部のパーティー出席行動が報じられると、政治家と拝金主義者とがつるんでいるとイメージしてしまう。コロナの最前線で多くの医師が戦っている最中、医師を統率すべき者は何を考えているのだろうか。
そんな中、「日本の人口当たりコロナ感染率が少ない」と、いかにも自慢気に語られてしまうと、「現実を見ていない、現実を見ても何にも感じない、何も悟らない、そして行動できない、行動したとしても尻尾しか振れないのやねえ」と、普通なら哀れになってしまうだけなのだが、こっちも1年以上の疲れが蓄積しているから、ついヒステリックになる。
「でもね」と再び思う。そんな頭脳と考えとでオリンピックをやろう、オリンピック大賛成と尻尾を振ろうなんて、ひょっとして「もうコロナに罹って死んでもしゃあない」との老人の最後の願いを叶えようというわけか。
僕はそんな最後の願いをまだ抱かないので、その前の段階として1つだけお願いがある。それは、オリンピックを何が何でもやりたいのなら、海外から来た者やその者と接触した日本人を2週間だけ特別室に隔離してほしいと。それも、こっそり外に抜け出ないように(絶対に何人も抜け出そうとするやろし)GPS追跡装置を持たせて。もしもそれを持たずに抜け出したら、「大量殺人罪もしくは大量殺人未遂罪相当で死刑」と言い聞かせて。こっちがせっかく耐え忍んでいるのに、向こうから、あの手この手の変異株持参で接近されたらかなわない。よろしく。

2021/05/13


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