川北英隆のブログ

宝達山を往復する

前日に金沢の駅前に泊まっていたので、悠々と6.30発の七尾行きの電車に乗れた。4両連結である。通学と通勤に使われているため、途中で席がかなり埋まる。反対車線の金沢行きはラッシュ並みだった。
それはともかく、電車に乗る時に「ひょっとして」と懸念し、電子マネーを使わず、切符を買った。実際はというと、行きの宝達駅は電子マネーを使えたのだが、帰りの免田駅は駅に入出場用の読み取り機がなかった。実は電子マネーも使えるそうだが、電車の中でタッチしないといけない。宝達駅と免田駅の不統一から感じるように、よそ者は混乱してしまう。
宝殿駅を出ると予約していたタクシー(敷浪タクシー)が待っていた。宝達山の登山口(コブシの路の入口)を告げると、「1駅手前の免田の方が近い、迎えに行ったのに」と言われた。「タクシーの営業所が宝達にあり、朝早かったから」と返答した。
「宝達山には山小屋があり、うどんを食べさせていたのだが、小屋の床が抜けた今はやっていない」「キャンプ場があり、クマが出た」「クマは富山側から来る」とのことだった。
コブシの路の入口には手速比咩(てはやひめ)神社の下社(上社は山頂)があり、その神主は打ち上げ花火職人だったとのこと。今でも神社の近くに花火の筒が置いてある。
最後に、宝達から乗ったからか、2、3メーター分を無料で走ってくれた。1900円だった。
「コブシの路」はファンクラブが整備している。しっかりした登山道である。
道標にしたがって車道から左の林道に入り、すぐに右に登山道に入って沢を渡る。最初は植林の中だが、そのうち広葉樹林になり、宝達山の西尾根を登っていく。アップダウンの比較的少ない道だった。コブシやミツバツツジには遅かったものの、タニウツギ、フジ、ヤブデマリ、ガマズミ、ウワミズザクラなどが咲いていた。
送電塔の横を過ぎ、尾根の上部になると右手(南)に新しい林道が見えてくる。それを横切り、少し急登すると舗装道路に出る。コブシの路は道路を横切って続いている。山頂は近いのだが、稜線のいい場所をアンテナ群とそのメインテナンス用の道が占拠しているため、登山道は稜線の下をへつり、アップダウンが多い。
ようやく稜線上に出れば、そこが手速比咩神社の上社だった。三角点(637.1m、点名は宝達山)は神社の先にある。北側はブナの林、東側は切り開かれて立山方面の展望が得られる。南側にはアンテナ施設がある。山頂から数歩東へ歩くと白山も見える。
山頂からの下りは、まずアンテナ用の舗装道路を使った。快適に下ると、宝達山の肩を越えて富山側に続く舗装道路と合流する。その合流点に床が抜けたという山小屋があり、横に駐車場がある。合流点から北へ100mほど車道を歩き、コブシの路に戻る。後は同じ道を神社まで下った。往復2時間20分かかった。「山頂で多少ブラブラしたとはいえ、これでコースタイムとほぼ同じか」と思えるほどタフなタイム設定である。
というのも、タクシーを降りてから金沢行き電車が免田を出るまで、3時間10分弱しかなかったから。それを逃せば次の電車は2時間近く後になる。コースタイムより早く歩けるだろうから、3時間10分あれば十分と思っていたのに、当てが外れた。時間を節約するため下社の参拝を外したのではバチが当たるし。
少しでも近道をと地図を見ながら、大急ぎで免田駅に向った。駅の手前で宝達山がよく見えた。能登最高峰ながら、タクシーの運ちゃんも言っていたように、「ほんまかいな」というくらいの穏やかな姿だった。駅には10分少し余して着けた。
写真、上は宝達山の山頂、下は免田駅手前からの宝達山である。
20220511宝達山山頂.jpg

20220511宝達山.jpg

2022/05/11


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