川北英隆のブログ

大石不動院

大石幼稚園前のバス停に出たところ、次のバスまで1時間余裕があった。深野まで急げば間に合ったように思える。とはいえ暑さで足を動かすのが億劫になっていた。時間を潰す算段はできていて、隣りのバス停(不動前)まで歩き、大石(おいし)不動院の見学だった。
松阪から飯高行きのバスが走る国道166号線は、昨年10月のブログに書いたように、伊勢本街道であり、また紀州の殿様が参勤交代のために使った道である。そのため当時の賑わいを伝える史跡が多い。不動院もその1つである。
「暑い、疲れた」と思いながら、国道脇の歩道を500メートルほど歩き、不動院に着いた。すると手前に沢が流れていて、さらに冷たい風も来る。本堂の手前から境内に入ると滝がある。風はそこからのものだった。それに惹かれ、まず滝を見に行った。夫婦滝とある。ベンチもあるので座ると、湿っぽいながら冷風が直接当たる。暑さに負けそうになった体には天の救いに近かった。
その後、本堂の下を歩き、天然記念物のムカデランに向かった。境内の駐車場(バス停)から50メートルほど歩くと、鯉の泳ぐ小さな池があり、そこに天然記念物の碑があった。
池の奥に焙烙(ほうろく)岩と呼ばれる縦に長い岩があり、そこにムカデランが自生しているとのことだが、遠目にはよくわからない。ピンクの花を付ける季節(6-8月とされるが・・)には目立つのだろう。
焙烙岩の下には大日如来と馬頭観音が祀られていた。かつての街道を行く馬子の信仰を集めたとか。遠くには局ヶ岳が見える。白猪山の山頂からはなかった展望だ。
その後、本堂をお参りした。熱心な信者が1人、正座して不乱にお祈りしていた。それでも時間があった。もう一度、滝の横で涼んで時間を潰した。
バスは少し遅れてやってきた。松阪市内に近づくと、白猪山と堀坂山が見えた。白猪山は松阪側から眺める山だろう。というのも夏明からのようなずんぐりとした形ではなく、鋭角的な姿だったから。堀坂山よりも白猪山の方が高いというのも、ようやく理解できた。
バスは松阪駅に遅れて着いた。予定していた名張行き急行の2分前である。中学生と一緒に階段を走り、何とか乗れた。電車も少し遅れていたようだったが。
上の写真は焙烙岩(その下部)の下にある大日如来と馬頭観音である。下は局ヶ岳(中央の円錐形のピーク)である。
20220626ほうろく岩と石仏.jpg

20220626局ヶ岳.jpg

2022/06/26


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