川北英隆のブログ

信越化学の金川千尋氏が逝く

信越化学を世界的な企業にした金川千尋氏が1月1日に逝去された。96歳だったとか。かつてブログに書いたことながら、以前に金川氏と会ったことがある。立派な経営者であることを会って再認識した。日本を牽引した経営者が去るのは悲しいことである。
金川氏に会ったのは2015年3月18日だった。農林中金バリューインベストメンツの設立記念セミナーでの基調講演を担当した。同じ席に特別講演者として金川氏が招かれていた。
その日の僕のブログに書いたことなのだが、金川氏は僕の母親と同年(1926年)生まれである。その金川氏と会った同じ年の同じ月に母親が亡くなっていた。今まで意識していなかったが。
当時、金川氏は89歳、さすがに衰えは隠せない様子だったものの、確たる信念を持ち続けて企業経営に臨んでいる姿は、信越化学を支える芯を感じさせていた。
金川氏の経営の何が優れていたのか。先を読む姿勢と、その読みに確信を持ったならば、リスクをとって意思決定し行動する姿勢だろう。日本企業であることを目指さず、いち早く世界企業を目指したことも指摘しなければならない。
もう1つ、金川氏と紙面で対談したことがある。2012年1月15日の日経新聞「日曜日に考える」である。お互いに何を喋ったのかは忘れたし(僕の喋りそうなことはおおよそわかるが)、その記事を簡単に見られない(日経のネット版を購読していない)。機会があれば金川氏が何を語っているのか、11年前のことを振り返りたいものだ。
と、記事のコピーが出てきて万歳三唱だった。
その当時の写真を見つつ、日本を代表する経営者を改めて惜しんでおきたい。

2023/01/08


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