川北英隆のブログ

国境のコラブ山を往復する

今回のバルカン半島ツアーの主な目的は、3つの山を歩くことにあった。その最初の山がコラブ山(2764m)である。アルバニアと北マケドニアの国境に位置する。今回は北マケドニア側から登った。アルバニアからのルートもあるが、きついかもしれない。
アルバニアの最高峰とされているコラブ山へのルートに危険性はない。ただ高度差があり、長いだけである。
前日、北マケドニア側の登山口に一番近いホテルというかロッジに泊まった。ダムであるマブロボ湖の南端がスキー場になっていて、そこの施設である。翌朝、登山ガイドが四駆でやってきた。もう1台、四駆を引き連れている。この2台でコラブ山の東側に入る。
ダム湖の堰堤から西へと幹線道路を8キロほど下り、三叉路を北に折れる。アルバニア国境へと続く渓谷沿いの道である。岩場が多い。途中、国境警備のための警察の詰所を通り、国境の7キロほど手前で西へと折れ、細い道に入る。2キロほど沢沿いに上がり、支流に入ると登山口である。グーグルマップに陸軍施設の印のある、そのほんの少し上である。10台以上の車が駐車できる。標高は1450m程度、宿泊していたロッジから1時間程度かかった。
警察の詰所もそうだが、陸軍施設も養蜂しているのが興味深い。
登山口からは林道をショートカットしつつ、ブナとモミの美しい林の中の歩道を登る。林を抜け出て、少し長く林道を歩き、再び歩道に入り、小さな沢を渡ると古びた小屋の右手に出る。この付近が森林限界のようだった。標高1750m程度か。
小屋には立ち寄らず、右手の草原を登っていく。稜線に出ると風が強かった。一旦稜線の南側を巻くようにしてコラブ山の東側のピーク(2540m)の東側に出る。冬はそのピークを越えてコラブ山を目指すらしいが(稜線にポールが立っている)、夏道はそのピークの南側を大きく巻く。このルートには赤と白のポールが立っている。巻き道の鞍部付近には、大理石気味の石灰岩が点在していた。マツムシソウ、アザミ、小さなキキョウが多い。
東のピークを巻終わると登りになる。小さな沢のある比較的平坦な箇所に出る。ここで初めてコラボ山の山頂が見える。沢には赤く小さなサクラソウのような花が咲いていた。
平らな箇所から西に向かって稜線に取り付き、稜線からは北に登って山頂を目指す。山頂の手前に小さな岩場があるものの、最後まで草原に近かった。
山頂には三角の大きな鉄製の印が立っており、2764mの表示もあった。平らな箇所で合流した犬と一緒の登頂だった。
登ってきた南に伸びる稜線と山頂は国境である。しかし何の緊張感もなかった。しかも周辺のピークの多くが峨々としているのに、コラブ山はなだらかである。遠くに、次に登るテトボ山がかすかに見えた。
下山は往路を戻った。昼食も含め、往復8時間40分かかった。途中、道標のポールに赤と白のペンキを塗っている家族に出会った。登山口からも行きと同様、四駆で元のロッジに戻った。連泊したわけだ。
上の写真はようやく見えたコラボ山(中央奥)である。左側の草の生えた斜面を登って山頂に達する。下はその山頂である。犬も一緒に写っている。
20230831コラブ山.jpg

20230831コラブ山山頂と犬.jpg

2023/08/31


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