新幹線の広島駅改札口に集合し、恐羅漢に向かった。経路は、国道54号線、山陽自動車道、広島自動車道、中国自動車道、国道191号線を経由し、三段峡の上流部の道を南下した。餅ノ木峠を越えて横川川に入り、恐羅漢の東斜面のスキー場に着く。
かつて牛の放牧も行われていた牛小屋高原のキャンプ場に駐車場がある。そこが恐羅漢山への登山口である。山頂へのコースは複数あるが、「立山コース」が一般的かつ最短である。今回はこのコースを往復した。
登山口にある広島山岳会ヒュッテの前を通り、スキーゲレンデの横を登っていく。山頂の北の肩まで高度差約350mの直登だが、そんなに傾斜があるわけではない。
スキー場の端を歩く箇所もあり、雪が少し残っていた。ショウジョウバカマが目立った。
ブナとササの目立つ林の中に入っても直登が続く。傾斜が緩むと恐羅漢の稜線である。ササ混じりの灌木帯になっていた。出た箇所が稜線の北斜面なので雪が残り、その上を歩いて山頂に達した。
三角点(1346.2m、点名は羅漢)がある。北東から西にかけての山並みが見えた。南側に翌日登る寂地山とその東の冠山があるはずだが、林に隠れていた。
往路を戻った。登り1時間、下り40分程度だった。
恐羅漢の名の由来ははっきりしないらしい。稜線部の岩を羅漢に見立てて名付けられたようだが、「猟師や木地師でも迷うような恐ろしい山」から名付けられたとの説もある。その説のように、かつてはブナを中心とする深い森だったそうで、そんな姿が恐羅漢山の北西部には残っているらしい。残念ながら、今の東斜面は大きなスキー場になっている。
なお古い資料には「恐羅漢山の南西800mにあるピーク、旧羅漢山は1347mあり、恐羅漢山よりも高い」と書かれているが、現在の地形図では旧羅漢山の標高が1334mに修正されている。
写真は順に、スキー場横の登り(奥に恐羅漢の山頂付近)、山頂手前の残雪、恐羅漢山の山頂である。
2025/04/29