車道に出た後は、それを東に上がっていく。古法華自然公園として整備され、次に歩く笠松山へのハイキングコースがいくつも付けられている。どれを登っても笠松山へは簡単そうだったが、その前に地形図にある古法華寺を確認した。
調べたところ、先に参拝した一乗寺(法華山一乗寺)はかつて、地形図に古法華寺と記されている場所にあったそうだ。古い昔に寺があり、建築などのために山の木々が伐採されたため、笠松山や善防山の岩がむき出したのか。
車道を東に歩くと、すぐに自然公園の中心部だった。新しい石仏を見つつ北に上がるとトイレなどの施設がある。その左奥に石彫アトリエと小さな建物がある。これは古法華寺をイメージして建てられたようだ。いつからあったのかは書かれていなかった。さらに建物の横にコンクリート造りの蔵(収蔵庫)があり、そこに日本最古とされる古法華石仏(重要文化財)が保管されている。電話連絡すれば石仏を見せてもらえるそうだ。
収蔵庫から先に進むと笠松山へのコースに入る。白くて眩しい岩場を登り、笠松山の尖ったピークを見ながら灌木の尾根を上がっていくと、程なく分岐に出る。帰りに使う吊橋へのルートが右手に分かれている。
分岐から少し下り、鎖の設置された岩場を登るとすぐに山頂だった。山頂には展望台があり、その下に三角点(244.4m、点名は法華山)がある。下に登山者がいたため、展望台に上がり、四囲の山々を見ながら休息した。
帰りは分岐まで戻り、吊橋へのルートを下った。展望があるものの、小さな岩場の多い尾根を歩だった。途中で尾根の向きが南に変わるが、やはり岩場が多い。小さなピークを越し、吊橋に向けて大きな岩場を下る。鎖が設置してあるものの、ビブラム底の靴であれば滑る危険性はない。
鎖場を過ぎると吊橋だった。かつて笠松山からの尾根が善防山へとそのまま続いていたのだが、古法華寺への道を楽にするため、尾根を削りって切り通したそうだ。切通の部分は車道になっており、上に吊橋が架かっている。
吊橋を渡ると、下の岩に小さな磨崖仏が掘られている。吊橋からしか見えないらしい。下の車道へは吊橋の南側から下りる。
当初に予定していた北条に向かうには時間が足りない。北条鉄道の最寄り駅、播州下里から粟生へ戻る時間を調べたところ、1時間に1本の列車には十分時間がある。笠松山と善防山を振り返り見しつつ、車道を歩いて駅に向かった。
写真、上は善防山の馬の背から見た笠松山、下は切通と吊橋である。かなり高い。
2025/05/16