ストゥル・ブク・ゴンパの宿舎では疲れもあり、熟睡だった。部屋も食事もトイレもディラブク・ゴンパに似ていた。翌朝はタルチェンまで戻るだけである。10キロ程度の道程ながら、4キロ程度(実際は3キロ程度?)歩けばバスに乗ってタルチェンまで戻れるという。
沢の右岸を下るのだが、途中から岩場の縁の道となり、登り気味になった。沢側には柵があり、地滑り地帯でもある。巡礼路を時計回りで歩く場合、最後の難所だったようだ(とはいえ今は整備されている)。登りきるとタルチョがたくさんあり、かつての難関だった様子と、それを乗り切った「快哉」の声が忍ばれる。
後は下るだけだった。小屋があり、その先でバスが待っていた。公共バスではなく、我々をラサからタルチェンまで運んでくれた手配バスだった。
ツアー参加者としてドルマ・ラを越えてきた6人のうち、3人がバスでタルチェンまで戻るという。僕を含めた残り3人が最後まで歩いてタルチェンに戻ることにした。
そのタルチェンまではカイラスの南麓に付けられた何の変哲のない道だった。タルチェンの町が遠くに見えるものの、なかなか近づかない。カイラスの姿は見えない。ぐるっと一周したとの自己満足的だけが残る道程と言えよう。
その道をゆるやかに登り切るとタルチェンの中心部だった。地道が舗装道になり、そのすぐ先の十字路の下手に2泊したホテルが見えた。そのホテルに再度泊まる予定になっていた。ホテルの先にナムナニ峰もあった。
9時少し過ぎに歩き始め、タルチェンに着いたのは12時半だった。
前後するが、カイラス巡礼の地図をアップしておく。利用したのはガーミンの地図である。縮尺の関係で1枚では収まらなかった。タルチェン、タルポチェ、ディラブク・ゴンパ、ドルマ峠、ストゥルブク・コンパの場所を書き込んでおいた。巡礼路全体は、カイラスの西側の谷(ラ・チュ=拉曲と呼ばれているらしい)を北へと上がり、東側の支沢からドルマ峠を越え、カイラスの西側の沢(ション・チュ=宗曲)に出て、それを下るルートだとわかる。最後はカイラスの南麓をタルチェン目指して歩く。
ついでに南麓から見えるタルチェンの町の姿もアップしておく。
2025/06/11