チベットの道路、電気、ホテルなどのインフラはどうか。これも概ね問題はないのだが、細部にはいろいろとある。
幹線道路は舗装されている。高速道路はシガツェまで、それ以遠は舗装した国道だった。ただし国道の道幅がひろくないため、大型車同士のすれ違いは危なっかしく感じた。加えて国道沿いの主要都市には検問所がある。我々のバスの場合、パスポートを現地ガイドに渡した。公安の職員が乗り込み、バス内を一瞥することも多かった。なお公安の建物の写真撮影は禁じられている。
電気の停電はゼロに近かった。というのも1回だけ、責任の所在がホテルなのか電力会社なのか、エレベータに乗っている時に停電らしきものがあった。エレベータに数分程度閉じ込められた。発電設備としては大規模な太陽光発電が見られた。
ホテルはというと、設備の質が良くない。新しいはずのホテルの自動ドアが開かないこと、先に書いたエレベータの故障、エアコンの温度調整ができないこと、水洗の便器の水が自動で流れるものの水量が過剰、掃除が不行届など、いろいろあった。それらに一々目くじらを立てていたのでは休息できない。空気が薄いことに免じて放置したのがほとんどである。さすがにエレベータの故障だけは緊急ベルを押したが。
水道水はきれいなようだった。現地ガイドが「ミネラル分が多いので」と注意したことと、毎日ペットボトルの水が1リットル以上配られたので、基本はそれを使った。旅行会社として、水で腹を下されると困るのだろう。
トイレは、公共トイレが比較的多いのだが、それでも青空のことが何回かあった。奥地の場合、場所によっては(巡礼時の宿泊施設がそうだが)中国式ニイハオトイレの場合がある。穴を掘っただけなので、自分自身の落下にも少し注意を払わないといけない。ニイハオはともかく、昔の日本のトイレが穴掘り式だったことを思えば、仕方ないのだが。
そうそう、インフラといえば買い物時の支払いが一番問題かもしれない。シガツェだったが、100元札で支払おうとした時、その札を3回程度チェックされた。これもよく知られているようにQRコード支払いが一般的である。
銀聯カードなどでも支払える。旅行の直前に調べると、日本国内で銀聯カードを入手することも可能である。中国に何回も旅行するのであれば、銀聯カードが必須だろう。普通のビザやマスターカードは空港などの特定の場所でしか使えないようだ(今回は大した買い物もせず、カードを全く使わなかった)。
写真はチベットの道路と送電線である。
2025/06/14