川北英隆のブログ

奇跡のスロベニア

何が奇跡なのかは後で書くとして、スロベニアを旅行し、山に登った。それで、「スロベニアってどこにあるのや」。これはまだましな質問だろう。「スロバキアの間違いでは」との声さえあるかも。
オーストリアの南、イタリアの東に位置する国である。面積は日本の1/20ちょっと、人口は200万人ほどの国である。アルプスの東端でもあり、地中海にも面している。
実はこの国よりも、スロベニアの一地方名であるKrasの方が有名かもしれない。Krasはドイツ語ではKarstであり、日本語はカルストである。つまり秋吉台や秋芳洞が代表的だとされる(そう学校で習う)カルスト地形のカルストである。スロベニアがかつてオーストリアに支配されていた頃、Karst地方に拡がっていた石灰岩特有の地形が、カルスト地形として学術的に有名になった。
ということで、日本人はスロベニアよりも、その一地域であるKrasのことを学んでいる。スロベニア自身については、僕達の世代はユーゴスラビアという国名を学んだものの、その一地域でしかなく、かつ大きな紛争もなかったスロベニアなんて知る由もなかった。
そのスロベニアに何をしに行ったのか。最大の目的はスロベニアの最高峰かつ国旗にも描かれるトリグラフ山に登ることだった。トリはスロベニア語の「triで3」、グラウは「glavで頭」だから、3つの頂(頭)の意味である。双耳峰ならぬ三頭山か。って、三頭山は奥多摩の山の名である。
ついでにスロベニアの有名な観光地であるブレッドにも寄った。氷河によって削られた氷河湖である。おとぎの国のような風景が展開している。ネットでスロベニアを検索すると、このブレッド湖が登場するだろう。
もう1つ、Kras地方を訪れ、長大なシコツィアン鍾乳洞の一部を見学した。洞窟内に流れ込む川は山脈を横切り、アドリア海(地中海)に注ぐ。河口は現在のイタリア領、トリエステにあり、元祖カルスト地形の一部をなしている。
帰国日、空港のある首都、リュブリャナの旧市街に立ち寄った。人口30万人ほどの町ながら、丘の上に城があり、色調の統一された通りが印象的だった。チェコの首都、プラハを思い出させる。
スロベニアは早い段階でユーロ圏に入っている。治安も良く、所得水準はバルカン半島の中で一番高く(日本と大きな差はなく)、物価は比較的安い。気候も温暖だから、ヨーロッパの憧れの地だとか。
上はスロベニアの国旗である。3つの頂の山としてトリグラフが描かれている。その右横にあるのがリュブリャナ市の旗である。下はリュブリャナの城(奥)と町並みである。
奇跡のことを書き忘れてしまったので、いつか続きとして。
20250719スロベニアの国旗.jpg

20250719リュブリャナの川と城.jpg

2025/07/19


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