スロベニアの観光はさておき、メインのトリグラウ登山のルートの概略を記しておく。地元民は1泊程度で標高1330mの登山口から2864mの山頂まで登るようだが、今回のツアーでは登頂の後、ハイキングがてら山を歩いたので、山小屋4泊だった。
登山口はトリグラウ山頂の南東側、ポクリュカというリゾート地である。冬季山岳スポーツの拠点でもあるらしい。普通はそこに駐車をして、高度差1500mを登ることになる。トリグラウの最後の高度差350mは岩壁だから、山小屋で1泊するのが普通だろう。宿泊小屋の候補は3つある。とくに山頂直下にある2つの小屋に宿泊しての登頂は天気を見極められるため、地元でも人気のようだ。
今回のツアーでは、山頂までに2つの小屋に泊まった。おかけで、後で述べるように登頂の予備日が確保でき、それが「成功」に結びついた。
いずれにしても、山頂直下の小屋から山頂までは普通は岩場の往復になるから、荷物をほとんど持たずに登れる。岩場にはワイヤーが設置され、また鉄杭が打ち込まれている。このため登り下りのスリルはあるものの、危険はほぼない。もっとも登山者が多く、落石のリスクがあるため、ヘルメットは必須である。
山頂の往復の後、ツアーは南西へと山稜を巻くように歩いた。岩場や峠越えがあるのだが、危険はない。豊かなお花畑が広がり、氷河湖(といってもトリグラウ山域には今は氷河がなく、かつて氷河が削った窪地に水が溜まった地形)も点在している。途中で山小屋に1泊した後、セブンレイク小屋という氷河湖の畔の小屋にも泊まった。
その翌日、東へとトリグラウ山塊の南端を峠越えし、車道に戻った。スロベニア最大の湖とされるボーヒン湖の北側である。
ツアー全体では以上の山小屋4泊のほか、ブレッド湖という、前回のブログで書いたスロベニア最大の観光地のホテルに2泊した。スロベニアとは、その程度の日数で山歩きもでき、観光もできる小さな国である。面積が日本の1/20ちょっとしかなく、しかも道路が整備された先進国である。国の形が細長くもない。当然だろう。
写真はスロベニアと周辺の地図(Googleマップ)である。首都リュブリャナが右端の真ん中付近にある。ブレッド、トリグラウ、最後に下りてきたボーヒン湖に印を付けた。なお左下の青いのは地中海(イタリア)である。
2025/07/21