先の参議院選挙にはたまげた。どの政党も減税や給付金を餌に国民の票を集めようとした。今の日本にそんな資金的余裕があるのか。財布が火の車、積もりに積もった借金返済が先決なのに、どの政党も「そんなの関係ない」か、それに近かった。
選挙の結果、自民党が大敗した。と、自民党内に石破下ろしの嵐が吹いているそうな。しかしこの動きこそ、自民党という政党の堕落と凋落を象徴している。選挙に負けたのは、その責任の一端が石破総理にあるとしても、そもそもは内閣を背負っていた自民党の政策に国民が呆れていた結果ではないのか。
とすれば、自民党として真っ先になすべきことは石破下ろしではなく、国民に納得してもらう政策とは何かを探ることである。もう少しいえば、今までの支持団体、支持業者に媚びる政策ではなく、国民を正視した政策とは何かを議論することである。国会議員はもちろん、地方議会議員や、それらの将来の卵に指示を出し、国民の率直な声を聞いて回らせることである。
もちろん国民は勝手なことを言うだろう。しかしその国民の声には、日本の未来に向かって本当に必要な意見も混じるはずで、それを聞き取ることが真の政治家である。石破下ろしを断行しないことには次の選挙でも負けるというのは真実かもしれない。とはいえ、それは「石破総理」という今の現象に基づく判断でしかない。自民党として何が国民の不評を買っているのかの分析にはなっていない。
石破総理も、何が原因で国民に怒りが生じているのかを真剣に考えなければならない。その上で、トランプの爪の垢でも煎じて飲んで、大胆な政策を打ち出すべきだろう。その政策が党内で不評だったとしても、命運が尽きようとしている総理職なのだから、どうでもいいはずと思える。勝負手を打てば起死回生になるかもしれない。とりあえず総理職を失ったとしても、後々の歴史が「素晴らしい政策を示した総理」と評価するかもしれない。
苦労に苦労を重ねて就いた総理職を失いたくはないだろうが、逆に言えば、望んでいたように総理になったのだから、それで良しとしてもいいのではないか。政治家として、勝負すべき時には勝負しないままで終わったのでは、後悔しか残らない。
以上、普段は日本の政治なんてアメリカという金魚のフン(返事の「フン」ではない)としか思っていない僕ながら、今回の選挙とその対応にますます「今の日本の政治家って何や、何も考えてないやん、無頭エビかいな」と思った次第だから。
2025/07/26