有給休暇は雇用されている者の権利である。使おうとするのに、「今はちょっとねえ、暇な時にしてくれ」と拒絶されれば、有給休暇というカラ手形を雇用者側が切っているわけだから、大げさに言えば詐欺である。そんな就職先、見込みなし。とっとと辞めればいい。
以上は形式化して説明している。本当は申請する側としても、「休んでも組織として対応できる」との確信があり、休暇申請することになる。その確信を説明したのに拒絶されれば、そこで「詐欺や」となる。
もちろん突如、休まないといけないこともある。病気が代表的だろう。新型コロナ以降、「熱が出ようとヤリが降ろうと出社せえ、根性なし」と言われなくなったと思うが、それでも嫌な顔というか言葉づかいをされるとすれば、それこそパワハラだろう。あまりパワハラという用語が好きでないので、詐欺的対応としておこう。
それでブログの題名に戻るのだが、その昔、カミさんが海外旅行で留守の時、飼いネコが病気になった。病気の発症が早朝だったので、しばらく様子を見ていたのだが、回復しない。仕方ないので始業時間の少し前に職場に電話をした。部長が出てくると嫌味を言われるかなとも思ったのだが、幸いにも動物に理解のある庶務のIさんが出てきた。「ネコが病気なので休みます」と伝えた。笑われたのかどうかは忘れたが、すんなり伝わった。何回も使ったネタなので、Iさんにとっては耳にタコ、目にメヤニかもしれないが。
急に休んだわけだが、何かあれば、当時は電話してもらえれば対応できる状態だった。今ならネットがあるし、オンライン会議も可能である。職場での会議に出席の必要があったとしても、誰かが対応すれば済むだけの話である。
この話題をブログでも使ったかなと思い、検索したところ、使ってはいないようだった。その検索のついでに見つけたのが、忘れてはいたが、中高の同級生で就職先が一緒だったT君の有給消化率が100%近かったとか。「負けた」と思い出した。僕の消化率は70%程度だったので。
でも部長になると休むのに苦労が付きまとった。
休んでラサに宿泊していた時、ホテルに連絡できるかどうか実験だとかで、会社からファックスが入った。事前に知らされていたものの、高いファックス代金を請求された。
ハワイ島の山登りの時、ホテルでの寝入りばな、電話が鳴った。人事異動の要請が人事部からあったとか。それを受け入れるのかどうかは部長の決定事項だとかで、意向伺いだった。
どちらも、部下として、サラリーマンとして正しい行動である。こちらが無理に休んだのだから仕方ないし、有給休暇に対する対応力のある組織だと称賛しておきたい(本心からかいなだが)。
思い出したのは、そのラサへの旅行の時だったと思うが、当然ながら上司(役員)の了解を得た。「こんな(生命保険会社の株主総会に相当する社員総代会の)時期に休むなんて」と小言を言われたものの、認めてもらった。
別のある時、別の上司だったと記憶しているが、「辺境に行ってるそうやな、社長が行くなと言ってる」と伝えられた。別に「休むな」と言われたわけではないし、会社を辞めるほんの1年程度前だったので、記憶に留めただけで終わった。
良い組織に勤めたと思う。だから29年間も在席したのだろう。
2025/08/12