川北英隆のブログ

インドと鹿児島の水害と熊

ネットの時代になり、いろんなニュースが伝えられる。旅行した地域の記録のため、3つのニュースを書いておく。
1つはインドのヒマチャル・プラデシュ州での洪水である。
「ヒマチャル・プラデシュ、インドのどこや」というだろうか。インドの北部、パキスタンとの国境付近であり、昨年の夏に訪れたラダックやザンスカールの南側である。昨年8/3に書いたように、この地域は広い意味でヒマラヤの南斜面に当たり、インド洋からの湿った空気がぶつかって大雨が降り、かつ急斜面の山岳地帯だから土砂崩れがすぐに起きる。
昨年、ザンスカールに入る前に訪れたジャンムー・カシミール地方も、そして西へ国境を越えたパキスタン側も洪水に見舞われたそうだ。日本のニュースでも小さく扱われていた。もう少し調べるため、Googleニュースでインドの英語版に入った。パキスタンの英語版でも報じられている。
もう1つは九州南部での洪水である。よく大雨と洪水のある地域なのであまり気に留めていなかったが、ふとニュースを見ると、日当山(ひなた)温泉を洪水が襲ったとか。
実はこの温泉、1992年11月、森林調査のために市房山、大隅半島、屋久島に入った時に立ち寄っている。屋久島はともかく、市房山のスギと大隅半島の山(大箆柄山=おおのがらやま)の南限のブナは一見の価値がある。
この調査の途中、日当山温泉に泊まった。駅前の旅館だったと記憶していたが、改めて地図を見ると少し違うかもしれない。天降(あもり)川を渡った先だったかも。
いずれにしても民家を改造したような旅館だった。湯は少しぬるっとというか、まったりしていた。もう一度行きたいと思いつつ30年以上経っている。洪水の被害から立ち直れるのか心配である。
3つ目が今回の羅臼岳ヒグマ事件である。今まで襲ったことがなかったとあるが、僕が登った1972年当時も「クマ出没、注意」とあった。今回の事件の当日、70人が山に入っていたとか。食べ物のゴミをどうしているのか。聞くところによると、稜線の草原に蓋付きのゴミ箱があると聞いたことがあるが、そんなに入山者が多いとゴミが溢れ出しているかも。
知床半島全体にそうだが、観光客がペット的にヒグマに接しているとも聞く。あれやこれやでヒグマが人馴れし、美味い食べ物を調達できる対象ととらえ、襲ったのかもしれない。「猟銃で撃ち殺しに来るかもしれへん恐ろしいヤツやで」と(関西弁は通じへんか?)、「クマの再教育」を願う。
クマからすると、「山に入るな」かもしれないが、アーバンベアも出没していることだし、少なくともクマとヒトとの境界をはっきりさせて欲しいものだ。

2025/08/16


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