川北英隆のブログ

Geminiを本格的に試し始める

日銀のETF売却ではないが、「小出し」にグーグルのGeminを使ってきた。主な使い方としては、歴史的な事実や制度の確認である。Geminiを使った結論は、時間の節約になる。そこで本格的に使おうとしている。
依頼された原稿はもちろん、何かを書くとき、うろ覚えの事実をベースにするわけにもいかない。そこで従来はネットで当たりをつけて検索し、確認していた。これだと、少し複雑な事実を調べるのに何回も検索しなければならない。
古い歴史的事実ともなると、ネットでは埒が明かず、手持ちの書籍を調べることもある。というのも、ネット検索ではヒットしないか、少なくとも上位に示されないことが多い。ヒットしたとしても不十分な説明が多い。
この点、Gemini というかAIは確認のツールとしてなかなか便利だと、試用によって判明した。検索がほぼ1回で済むことが多くなった。不答えが十分なら追加の質問をすればいい。ということで、本格的に使うことにしたわけだ。使ってみて見込み違いなら元に戻ればいい。
ただし使うに際していろいろと注意点がある。順不同に書いておく。
1つは、日本語として不自然な表現があるし、たまにだが日本語として間違った文章が混じる。グーグルの日本語機能は他社のものと比べて少し弱いと評価されているようで、その表れかもしれない。
2つに、事実のまとめ方が正しくない場合がある。端折っているのではと感じた場合は追加で質問すればいい。この点は「間違っているのでは」と思った場合も同じである。
たとえば今日、「今年の台風の発生数が急速に増えているな」と思ったので、「今年の台風は何個発生したか、太平洋での(同じ太平洋で発生しても東経180度の西か東かで台風とハリケーンに区分されるので)ハリケーンは何個か」と質問した。
すると、「・・19個の台風が発生しています・・今年の台風の発生数は、7月までは平年を上回るペースでしたが・・(ハリケーンの回答は省略)」とのことだった。この「7月までは平年を上回るペース」というのが変なので、「間違いでは」と再度聞いたところ、「ご指摘いただき、ありがとうございます。・・私の説明は、言葉足らずで・・台風1号の発生が6月にずれ込むなど、始まりは平年よりも遅かった・・7月に入ると状況は一変・・7月だけで7個の台風が発生・・」と訂正してきた。ちゃんとした訂正だったのが、「OKです」と返したら、「どういたしまして」とのことだった。
3つに、上からの教訓というか注意点だが、AIを使う場合、質問の前に「正しそうな答え」を想定しておかなければならない。そうでないと答えを鵜呑みにし、間違いに引き込まれかねない。
4つに、追記に近いが、重要な事実については「この答えの資料(原典)は何か」と質問するのがいい。その原典を自分の目で見ることで、AIに見逃しがないかどうかを確認できる。
最後にだが、別の機会にAIに推論させる作業を試してみたが、これはまだまだだった。論理的に筋立てできるものではなく、非論理的というか心理的、感情的に動く社会的な現象の裏が何かという、(僕自身が行った行動の意図の)簡単な推論なのだが、「使えるやん」「そういうこともあるんや」との答えを得られなかった。僕自身の心理を見破られなかったので「ほっとした」のも事実なのだが。

2025/09/21


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