川北英隆のブログ

京都の町の今昔

ここ数日、久しぶりに歩いた京都の通りがある。錦の中心部(錦市場)と室町の北側(御池より北)である。大変化していた。
錦市場は観光客が多すぎてしばらく歩いていない。先日、遠方より客が来た。彼らと会った場所が室町錦だった。そこから会食にと先斗町に移動したのだが、タクシーを使うには近すぎる。時間があったので歩いて、ついでに半分観光気分で錦市場を通ることにした。
夕方で少しは人通りが少ないかなと思ったのだが、かなりいたので、途中で北に折れ、混雑を避けた。その折れるまでに見た光景は衝撃的だった。
知っている店がほとんど見当たらない。向かいから来る旅行者にぶつからないように気をつけないといけないので余計にそうだったのだろうが、ギンギラギンで目立つ土産物屋風の店や、店の前で飲み食いさせる店だらけ、本来の京都の台所と言われる所以の店は影を潜めている。
「これじゃあ普通の観光地の土産物屋通りと変わらへん、違いはアーケードになってるだけのことか」と思えた。やがて観光客も「あんな錦に行っても混雑に遭うだけ、何も面白くない」と、錦の人気は廃れていくだろう。
室町の北側も、錦ほどではないものの、様変わりしていた。その通りには三井越後屋の京本店の跡があり、記念庭園になっている。京の店は仕入れを担当し、それを江戸の店に送って販売したとある。
今も通りには繊維関係の立派な家屋が残っているのだが、多くは廃業寸前なのだろう。店の一角が喫茶店などになり、観光客向け変わってしまっている。その姿は時代を映しているが、情けない気分にもなる。
そんな中、日傘を差してスマホを見ながら歩いてくる比較的若い女性がいた。道が狭くなっていたこともあり、思わず日傘を手で払い退けようとした。ほんま、情けなさが2乗になった。

2025/09/23


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