川北英隆のブログ

日本株を誰が保有しているか

いくつか頼まれ原稿を書きつつ、図表を作成した。その頼まれ原稿がすでに公表されたので、ついでに作った図表をブログにアップしてもいいだろう。いくつか参考になると思えるものを順次アップしていきたい。
最初は日本の上場株式を誰が保有しているのかである。各年度末、上場株式の時価総額に対して各投資家が保有する比率である。東京証券取引所の公表データをベースに、そこでは集計されていない投資家(公的年金・企業年金の合計、日本銀行)を付け加えておいた。
図を見れば分かるのだが、補足的に説明しておく。
海外投資家(外国法人等):32.4%、日本株の約1/3を海外投資家が保有している。ほぼ毎年比率が上昇しているから、海外投資家の影響力が増している。
事業法人:保有比率を18.7%にまで低下させた。株式持ち合いを含めた政策保有に対する批判が強まり、その売却が進んでいる。親子上場や関連会社の株式保有の解消もある。
公的年金・企業年金:10.1%と横ばいながら、国内投資家の中での相対的な地位を高めている。その年金の中でGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が最大の規模である。
日本銀行:7.5%をETFの形態で保有する。2010年代、「非常事態」ということで異例の株式保有に走ったものの、経済が正常に戻った現在、どう売却を進めるのか注目したい。
金融機関:銀行、生保、損保などは保有比率を低下させ続け、合計5.2%となった。株式持ち合いを含めた政策保有に対し、金融庁が「解消」を要請したことから、足元でも売却を続けている。金融庁と日本銀行のスタンスは、ある意味真逆だった。
個人:2019年の16.5%を底に、わずかながら上昇し、24年度末は17.3%になっている。NISA枠の拡大が影響していると考えられる。今後も個人は買うのか。これも注目なのだが、過去の個人投資家の行動と異なっている雰囲気もある。

20250918投資家別保有比率.jpg

2025/09/18


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