川北英隆のブログ

丹後の由良ヶ岳-2

由良ヶ岳東峰から鞍部に戻り、さらに北西へと尾根を歩き続け、西峰を目指した。稜線は広く、なだらかである。ところがこの稜線は1つだけ、他の山と異なっていた。
稜線上にカキとナシの小さな実がたくさん落ちていた。鞍部付近で最初にカキ実を見たときには、クルミの青い実が稜線一面に落ちているのかと思ったほどだった。これらの実は店で売っているのよりも小さいから、鳥が里で実を食べ、その種を稜線部まで運んだのかもしれない。その種から柿や梨の木が育ったのだろう。
鞍部からすぐ先に休息所があった。西側から由良ヶ岳へのルートが稜線に出る箇所でもある。それを左手に見ながら稜線歩き続けた。小さなコブを越えると西峰山頂だった。北側が刈り払われている。木の下に三角点(639.8m、点名は由良ヶ岳)があった。
その三角点の周囲には小さなナシの実がたくさん落ちていた。テニスボールを一回り小さくした程度の実も混じっている。食べられるかどうか。汚れていない実を1つ拾い、山頂北側の石の上に腰を掛け、かじってみた。硬いながらも甘くて水気があり、喉を潤してくれる。なぜ実を食べた痕跡がないのか不思議だった。
山頂からは天橋立の姿があり、その奥に丹後半島が広がっていた。その右手眼下には、灌木に隠れて見えにくかったが、由良の村落と由良川の河口がある。
ナシと展望を楽しんだ後、鞍部に戻り、往路を下った。稜線からすぐ下は粘土質の斜面であるため、スリップに注意だった。花崗岩の腐った斜面を下り始める頃、登山者に出会った。人気のある山なのかなと思う。
由良の村落に出て安寿と厨子王丸に関する史跡がないかなと注意していたところ、如意寺があった。駅へと曲がる角から数歩だったので寄った。快慶作の地蔵菩薩像があり、安寿と厨子王丸の身代わり地蔵として祀られているとか。山椒大夫の名前の由来も書かれており、「三つの荘園を治めていた」ことから「三荘太夫」と呼ばれたとの説がもっともらしい。
寺を出ると由良ヶ岳が大きかった。駅まですぐである。
丹後由良駅を出たのが8時10分、如意寺に着いたのが11時35分、駅に戻ったのが11時50分だった。
上の写真は由良からの由良ヶ岳である。左のピークが東峰、右が西峰である。下は西峰山頂なのだが、よく見ると下にたくさんナシの実が落ちている。
20251012由良からの由良ヶ岳.jpg

20251012由良ヶ岳西峰.jpg

2025/10/12


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