由良ヶ岳にはたくさんの木の実が落ちていた。山の下部には(樹皮からそう思うのだが)クヌギの実が多かった。山の上部にはクルミが多く、黒く腐ったのが半分以上だった。クリもあった。そして稜線上には普通の山では見かけないカキとナシである。
どうして動物が食べないのか。
シカの声を何回か聞いた。稜線の広葉樹の林には下草がなかった。これらからするとシカは多いのだろう。
一方、クヌギの実が食べられず、クルミの実が黒く変色していたことからすると、イノシシは少ないのだろう。ルートの横を掘り返したような跡が数カ所あったことは、イノシシがいる証拠だと思える。
山に入る前、虫よけと熊よけの対策をした。ディート30%のスプレーを腕と顔と首筋に塗り(久しぶりの山だったので足元に塗るのを忘れていた)、リュックに鈴を付けた。でも、これらの必要はなかったと思う。
虫が身体の回りを飛ぶことはなかった。何回か見たのはスズメバチだった。クマは、試食して美味かった小さなナシがそのまま残っていることからすると、いないのだろう。稜線の案内板にはクマが棲んでいると書いてあったから、少数いるのかもしれないが、クマの伝統を守って登山者の多い場所を避けているのかもしれない。
家でナシのことを話したら、「そのナシをお土産に持って帰ってくれたら良かったのに」と言われた。由良ヶ岳、怖いのはクマではなくカミさんかもしれない。
写真は上から、クヌギの実、稜線のカキの実(地面上にたくさんある青い物体)、実ったナシである。
2025/10/12