川北英隆のブログ

大阪の昭和山

大正駅で降りた。当初に目指していた天王寺駅へ地下鉄が乗り入れていなかったこともあり、家を出てから2時間近くが経っていた。しかも大正駅なんて土地勘ゼロである。
電車の中で地図を見ながら決めたのは、大正の北口の改札を出て南へと、川(木津川)に沿って住宅街を歩くことである。大通り(大正通)を歩くのが簡明なのだが、それでは「山」に行くことにはならない。
駅前は飲食街だった。家に戻ってから地図を見て知ったのだが、大正は地下鉄の長堀鶴見緑地線の終点でもあり、また近くに京セラドームもあって、駅前がちょっとした繁華街になっている。焼肉関係がやたらと目についた。イヌ焼きを売っていないのか少し心配だが、それはともかく「大阪や」と思ったのは、たこ焼き屋が堂々たる店構えだったことだ。
ややこしい駅前を抜け、住宅街に入って一安心したのだが、早合点だった。道は基本的に南南西へ向かうものの、微妙に突き当たったり、時には歩行者用の階段を上がったりするので、地図に頼らざるを得ない。
最後に木津川の堤防の横を歩く。工場街というか倉庫街というか、そんな中に「落合渡船場」の表示を見つけた。帰りに立ち寄り、船が頻繁に出ているのなら使ってみようと思った。
渡船場を見て道は西に折れ、すぐに昭和山のある公園に突き当たる。車の多い車道を渡ると公園への階段がある。それを上がると正面に小高く昭和山が見え、歩道が螺旋状に登っていく。まばらに植えられた木々の間を歩き、山頂に出た。東屋風の建物があり、その周囲を歩ける。公園入口からは10分とかからない。
昭和山の標高33mは、大阪市内の「山」ではなかなか立派である。地下鉄を掘った残土、ダンプカー57万台分でできているとか。近くの川の浚渫の土砂ではない。
展望は先に記したように、奈良盆地の南の山(二上、葛城、金剛)から和泉山地が見え、手前にはあべのハルカスがあった。
山頂から同じ側に下りた。落合渡船場に出て運行時刻表を見ると15分に1本あるので、使うことにした。時間になると係員が通路の扉を開け、僕と自転車を押したおっちゃんとを乗せて出港した。上流には木津川水門、三軒屋水門が、対岸には西成区側の乗船場がある。タイのバンコックで乗った船を思い出した。大阪もそのくらいの観光船を出せば人気が出るのにと思う。
対岸に着いて駅までの道を思案し、南海の木津川駅を目指した。それに乗れば少しは時間短縮になり、かつ珍しい電車に乗れるから。しかし木津川駅へのアプローチ方法を間違えた。都会の駅だから改札が線路の両側にあると思い、東側から探したのだが、改札は川沿い、つまり西側にしかなかった。ようやく線路を渡る細い道を見つけて改札に出たものの、電車の本数が少なく、芦原橋まで歩いた方がましだと知った。
環状線の芦原橋駅、木津川駅を見た後だからか、きわめてまともな都会の駅だった。
写真、上は昭和山の山頂、下は木津川を渡り対岸の渡船場を見たところである。上の写真をアップしようとして気づいたのだが、右端に昭和山付近が見えているようだ。
20251021昭和山山頂.jpg

20251021渡し場.jpg

2025/10/22


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