川北英隆のブログ

赤石ヶ岳を訪ね与謝へ

大江の千丈ヶ嶽から赤石ヶ岳への分岐に戻った。それを西に向かって折れ、下っていく。植林の目立つ林の中になる。道は広く、林業の作業道のようだった。13年前の草に埋もれそうな細い道とは大違いだし、当時よく見えた赤石ヶ岳の姿は林に隠れてしまっていた。
千丈ヶ嶽の南側を巻いてきた作業道と合流した後は舗装していない尾根上の平らな林道になった。500mくらい歩くと林道は南の福知山市天座へと下っていく。赤石ヶ岳へは表示に従い右手の尾根道に入る。すぐに芝と背の低い笹原の中の道になり、601mの独立標高点ピークに出る。正面に赤石ヶ岳、振り返ると千丈ヶ嶽の姿があった。
601mのピークで左手の背の低い笹原の中の細い道に入る。千丈ヶ嶽と赤石ヶ岳の鞍部へのルートである。南には三岳山の尖った姿が大きく、その左に谷を挟んで天ヶ峰があった。3年前に歩いた山で、全貌を始めて見せてくれたので感謝である。北には赤石ヶ岳を訪ねた後に下る与謝野町の狭い平地が広がっていた。
鞍部から赤石ヶ岳へと登る。最初は背丈の低い笹の中の道、その後はススキの中の道を経て赤い石が点在する道になる。赤い石は蛇紋岩らしく、ニッケルやクロム成分が多い。与謝の加悦(かや)地区はかつて日本最大のニッケル鉱山だったそうで、それを輸送し、精錬するために鉄道(今は廃線になった加悦鉄道)が敷かれたほどである。
それはともかく、赤い岩の間の細い道は不明瞭である。岩には所々白いペンキでルートの方向が示されているのだが、西日が直接当たって確認しづらく、歩きにくかった。
赤い岩の間の道は長続きせず、じきに灌木の間の普通の道に変わる。ツチバチだろうか、小さなハチが地面に穴を掘って出入りしていた。
やがて傾斜が緩くなり、山頂に着いた。赤い石を積み上げたような場所に三角点(735.9m、点名は赤石岳)があった。点名が南アルプスの主峰と同じだとは思わなかった。それはともあれ、これで大江山山系の赤赤トレイルを3回に分けて歩き、完了ことになる。
山頂からの展望は南から東方向がすばらしく、三岳山と天ヶ峰はもちろん、福地山市街と、その奥に篠山は三岳周辺の鋭鋒群らしき姿が見えた。「京都からすれば、赤石ヶ岳は篠山よりも遠く、日帰り圏の限界に近いな」と確認できた。
山頂からは鞍部に戻り、鞍部のすぐ北側にある加悦双峰公園に下った。そこからは車道があり、後はそれを下るだけだった。とはいえ、与謝野駅16時46分発の列車に乗らないと京都に帰るのが非常に遅くなる。車道を歩きながらタクシーを呼び、国道176号線沿いの村落、与謝の先の二ッ岩のバス停で乗車した。おかげで立派な大江山鬼岳稲荷神社遙拝所を見られた。
写真、上は赤石ヶ岳の山頂、下は千丈ヶ嶽との鞍部からの赤石ヶ岳である。
20251026赤石ヶ岳山頂.jpg

20251026鞍部からの赤石ヶ岳.jpg

2025/10/27


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