川北英隆のブログ

簑島則和氏の逝去

元上司の簑島則和さんが亡くなられた。奥さんから届いた喪中の連絡によると、昨年の年末だったそうだ。79歳だったとあり、存命であれば今年80歳である。
簑島さんが僕の上司だったのは2回ある。証券調査課でアナリストをしていた時と、ニッセイ基礎研究所金融研究部の時である。正確には思い出せないし記録もないが、延べ7年間くらい一緒に働いたのではないだろうか。つまり僕が日本生命にいた29年間の約1/4ということになる。それだけにいろんなエピソードが蘇る。
一言で表現すれば几帳面かつ正義感が強く、自分自身の信念を曲げない方だったと思う。ニッセイ基礎研究所の時、大卒の某新人が配属された。彼は情報工学部の出身で優秀だったのだが、一方で学生気分が抜けておらず、よく遅刻した。その遅刻を20分ばかりかけて簑島さんが叱っていたのは、僕の席のすぐ横だった。通勤時間帯を避け、自己時差出勤のつもりで遅く出社していた僕に対する間接的な小言だったのかもしれない。
服装にもうるさかった。その某新人がカッターシャツの下に色付きのTシャツを着ていたのは誰に目にも明らかで、それを部長の簑島さんが率先して咎めていた。僕よりも10年後に入社し、その後に会社を辞めて医者になったI君に対しては、「煮しめたようなネクタイしかないのか」との注意が飛んだ。
そんな注意や小言は、今はパワハラだとされるのだろうか。でも社会人としての基本的マナーを教えるのだから、誰かがやらないといけないことであり、僕がサボっていただけなのだが。
簑島さんと同様、僕にとって2回上司だった方は他に2人いる。1人は多分90歳になられたと思うが、一昨年の正月にメールでやりとりした。もう1人は僕より3つ上である。簑島さんが早くして亡くなられたわけだから、お二人にはその分だけより長く付き合っていただければ大変嬉しい。
簑島さんのエピソードをしたためつつ、ご冥福をお祈りする。

2025/10/30


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