
1998年に『株式市場のマイクロストラクチャー』を上梓し、日経図書文化賞を得た。その構想を提案した大村敬一氏の家に、共著者である宇野淳氏、俊野雅司氏、出版社(日経新聞社)の担当者だった堀口祐介氏、そして手伝ってくれた楠美将彦氏が集まった。
大村さんと僕が後期高齢者であり、宇野さんはもうすぐ同類になる。98年当時はまだ執筆者全員が50歳前だったのにと、懐かしい。楠美さんなんかは博士課程の学生だったと思う。
14時頃に集まり、20時近くまで話していた。一番年長の大村さんが元気なので、誰かが(現実には宇野さんが)「ぼちぼち」と言わない限り、多分終電近くか、ひょっとすれば夜通し続いたかもしれない。ただし楠美さんが月曜日(文化の日)に講義が入っているため、夜通しはさすがに無理だったと思うが。
6時間近くの前半は共通の知人の思い出話や近況だった。後半は「続マイクロストラクチャーを出版したいね」との話になった。出版社側の堀口さんは少し困った雰囲気だった。
大村さんがどこまで本気なのかはわからない。アルコールの入った席での話題作りの可能性がある一方で、半ば本気かもしれない。少なくとも今の株式市場の構造について、投資家、取引所、AI(人工知能)などの実際の関係を語る書物がない。この点を強く押せば出版社側が乗ってくる可能性もある。
そんなこんなの、夢か現か漠然としたままのお開きだった。
2025/11/01