
昨日、日本の株価について、最近の日経平均株価が異常に値上がりしていると書いた。この点に関連して、日経新聞には投資意欲を煽る傾向があることを指摘しておきたい。
そう思った記事があった。探したところ、10/30の朝刊だったか、少し違うような気がするのだが・・。それはともあれ見出しには、「日経平均、初の5万1000台」とあり、横の見出しには「日米AI相場、強まる共振」とある。
前日10/29の株価指数を見ると、日経平均株価は1日で1088円上げている。一方、東証株価指数(TOPIX)はわずかだとはいえ、0.2%の低下である。それなのに、日経の見出しだけでは株価が好調だと思えてしまう。
断っておくと、記事には「・・・上げ幅を分析すると、アドバンテスト、ソフトバンクグループと東京エレクトロンを合わせた3銘柄の(上昇の)寄与が7割超に達する」とか、「(株価)上昇が一部銘柄に偏ることへの警戒感が出ている」とか書いてあるので、記事は良心的なのだが、見出しだけはいただけない。見出しという疑似餌に食いつかないと、本当のところは理解できない。
さらに言えば、記事にはTOPIXが下がったことへの言及がない。そもそも日経新聞の主力商品、日経平均株価の強敵であるTOPIXを取り上げた記事が少ない。TOPIXの水準自身、新聞には目立たない数値の羅列の中にしかない。
もう1点、少し別のことを書いておく。
個人の資産形成や投資に対するアドバイス産業である。証券会社のラップ口座や、個人に対して「投資理論に基づいてアドバイスする」会社である。これらは網羅的なアドバイスでしかしないことに注意が必要である。決して、痒いところには手が届かない。
生命保険や損害保険の代理店が顧客に対して行うアドバイスが、実は顧客のためではなく、会社が儲けるためだった事例もある。これは専門家と称する者が、よしんば専門家だったとしても、その知識を顧客のために使うとは限らないことを意味する。専門家だからと鵜呑みにすることなく、常に疑うことが必要である。
顧客に提供するレポートなどの情報に関し、第三者の目線を入れることが最近の流行りになっているようだ。ちゃんとした専門家は、その知識を顧客のために使っていることについて、第三者の保証を付けていることになる。
同時に、情報はタダではないことにも留意しないといけない。運用のアドバイスだからといって、それが専門家と称する集団(場合によっては個人)の場合、タダであるはずがない。どこかで手数料相当の対価が抜かれている。
新聞社の場合に戻ると、企業としては広告収入が重要である。そうだとすれば、事件が発生してもいないのに推論で特定企業の悪口を書けない。加えて経済の状況が良いに越したことはないから、景気や相場の足を引っ張る記事は書きにくい。その点を念頭におきつつ、新聞を眺めるのが正しい。
2025/11/12