川北英隆のブログ

山での危険・その他の動物

「その他の動物」と一緒くたにしたが、具体的には猪か。他に蛇、猿がいる。もう少し動物の範囲を広げれば、蛭、ダニも入る。猪と鉢合わせしかけたことがある。それ以外は「命の危険や」と感じたことはないものの、最近はいろいろと注意している。
猪を見かけたことは多くない。山に多い動物だから、彼/彼女らのぬた場はよく見かける。しかし敵は用心深いのだろう、今まで3回くらいしか姿を見ていない。それも2回は、ウリボウを連れた母親が遠くを走っている姿だった。
そんな猪と1回だけ鉢合わせしたのは小豆島の藪山、正確には泊まったホテルの裏山的な場所だった。夕飯前の腹ごなしも兼ねて登ったところ、道が背の高い草に覆われていた。迂回すればよかったのかもしれないが、「すぐ上が山頂や」と少し広い場所に立ち止まり、草の間を上がろうとした。その時、上の方でガサっと音がして、その音の方向を見ると黒い物体が飛び出し、2m弱横を突き進んだ。大きな猪だった。瞬間的な出来事だったので、犬と向かい合う時のような緊張感とは縁遠かった。
猿の群れには時々出会う。はぐれ猿1匹ならともかく、集団でいることが多いので、その時には睨みつけながら歩いている。女子供や老人ならともかく(僕もその領域に足を突っ込んだかな)、男を襲うことはなさそうだ。最近では山歩きにストックを持参しているので、それが武器になる。といっても、喧嘩になれば相手の牙や爪を避けることはほぼ不可能だろう。
蛇は方々で見かける。先日、大江山を歩いていると、マムシと思える子蛇を林道で何回か見た。草原だと蛇に気をつけ、踏まないようにと歩くのだが、林道なら心配は少ないので適当に歩いていた。すると1回だけ子蛇を踏みそうになった。小さいので噛まれはしないだろうが、踏みつぶしてしまうと気味が悪い上に、祟りが心配となる。
はるか昔の9月、越後駒ケ岳にからの下りに、マムシの大群と言うかお出迎えに遭遇したこともある。日差しのある日だったから、蛇が一斉に日向ぼっこをしていたのだろう、登山道の横の草原で次々と出迎えられた。儀仗兵が整列しているかのようだった。そんな大群に出会ったのはその時だけである。
蛭に食われたのは屋久島の永田岳からの下りが最初だった。ズボンに血が滲んでいるので気づいた。その後、長らく食われなかったのだが、京都に住んで関西の山を登るようになり、何回も食われている。大きな危害はないし、ヒルを用いた瀉血が西洋では医療としてある。
この点、ダニは怖い。藪歩きを強いられれば、この「見えない敵」によるウイルス感染が気になる。だから春から秋にかけて、虫よけスプレーが必需品化している。
蛭もダニも鹿が増えたせいである。こう考えると、山で一番怖い動物は、間接的には鹿だろう。食糧需給のため、せっせと鹿肉つまりモミジ食を推進したいものだ。あっさりしていて美味いと書いておこう。鹿が可愛いなんて、蛭やダニの飼い主であることを真面目に考えてから(蛭やダニをいっぱい身にまとっている姿を想像してから)言ってほしいものだ。

2025/11/17


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