川北英隆のブログ

北条の小谷城跡へ

JR加古川線の粟生(あお)駅で降り、北条鉄道の北条町行き(この行き先しかない)に乗り換えた。注意が必要なのはJRを鉄道系ICカードで乗ってきた場合、粟生のホームにあるJRの簡易出場機にタッチすることである。乗り換えた北条鉄道の基本は現金払いとなる。
列車は加古川の川霧の中を走った。終点の北条町駅は想像していた以上に大きな駅で、さすが加西市の中心といった雰囲気だった。
駅から北条町の散策を始めたものの、事前に調べていなかったため、行き当たりばったりに近かった。参考になったのが町の歴史的箇所の舗装である。通常のアスファルトではなく少し凝っていた。それに導かれ、酒見寺と酒見大明神(住吉神社)を見学しつつ、羅漢寺まで歩いた。羅漢寺は五百羅漢で少しばかり有名である。
その北にある低い山並みの稜線には、クヌギ類と思われる赤茶色い葉が、霧の退いた陽光を受けて輝き始めていた。「こら登らんとあかん」「低い山やから時間はかからないはず」と、その山並みの中心、小谷(おだに)城跡に吸い寄せられた。
羅漢寺を出た後、北側にある高速(中国縦貫自動車道)をくぐった。その周辺には小谷城跡への道標がある。城跡へのコースが途中で2つに分かれる。ぐるっと一周できるので、「時間があればそうしよう」と思いつつ、分岐を右手にとった。すぐに陽松禅寺、赤松氏の菩提寺の脇を通る。その寺の上部には、尼子氏との戦いで討ち死にした小谷城主の赤松祐尚の墓と家臣たちを弔う五輪塔とがあった。
そのすぐ先で獣避けをくぐり、山道に入る。ハイキングコースとして整備されている。林の中を歩き、すぐに山頂部の城跡の下に出る。一帯は刈り払いされて、東西に延びる稜線上にはかつて城の建物が並んでいたようだ。
と、ここで山の危険に出合った。かなりの数のススメバチが稜線に上がるコースの横を飛んでいた。土の中に巣を作っていることとハチの大きさからすればオオスズメバチのようだった。当日は気温が高かったため、冬の前、ハチが最後の活動をしていたのかもしれない。ハチを遠巻きにしつつ静かに歩き、稜線に出た。
稜線を右手へ上がると天守跡(218mの独立標高点ピーク)だった。しばし休息をしつつ北条方面の展望を楽しんだが、当日は黄砂の影響から遠くが霞んでいた。
山頂から西へと稜線を歩き、下山した。同じルートを戻るのは面白くない上に、ハチが飛び交う横を再度通りたくなかったから。西への稜線歩きはアップダウンがあったものの、クヌギや松の大木があり、落ち葉とマツボックリが足元にあって気持ちのいいコースだった。稜線を大きく下り、獣避けを抜けると市道に出る。後はそれを下るだけだった。
写真、上は北条の町から小谷城跡を眺めたもの、下は山頂である。
20251205北条町からの小谷城跡.jpg

20251205小谷城跡.jpg

2025/12/05


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