川北英隆のブログ

室生寺と室生山を歩く

いつものM君と山歩きに出かけた。最初は談山神社の奥の稜線歩きを考えていたのだが、前日に天気を確認すると、翌日は冬型の気圧配置のため雲が多いとのこと。とくに予定していた地域には雲がかかりやすいと思い、少し背の低い室生寺の裏山にした。
寺の裏山といっても平易な山ではない。というのも寺側の等高線が混みあい、急峻な感じがする。ということで、「登るに値するな」と考えたし、実際、現地で見るとイメージしたのに近かった。
京都から行くには近鉄の樫原神宮行きを使い、八木に出て、そこから伊勢方面の電車に乗ればいい。最寄り駅は室生口大野である。今回は駅から室生寺まで歩いたのだが、少し遅い時間に着けば、1時間に1本ながらバスもある。我々が着いた早い時間でもタクシーが待っていたのだが、さすがに「観光と違うし」とパスした。
この室生、子供の頃に何回か父親の運転で行った。覚えているのは境内の一番奥に五重塔があることと、そこまでかなり階段を登ることである。それ以外はほとんど記憶にない。60年以上前のことである。
その後に訪ねた記憶はない。郡山の実家からにしろ今の京都からにしろ、遠い。しかも室生寺は駅から離れている。この点、近くの長谷寺は駅から近いので、社会人になってから訪れたことがある。
正確に記しておくと、1975年、社会人になってからの室生の記憶はある。曽爾の住塚山と国見山に登り、その帰りである。室生寺には入らず、その前を通って室生口大野駅まで歩いた。参加した日本生命山岳会のメンバーには「歩かされて迷惑」だったかもしれない。
それはともかく、室生寺とセットで覚えているのが室生口大野駅からすぐの摩崖仏である。村落の名でもある大野寺があり、その前を流れる宇陀川の対岸には岩に大きな仏さん(弥勒菩薩)が彫られている。子供の頃は、室生寺よりもむしろ摩崖仏に感動したものだ。お寺や神社は郡山近辺にたくさんあるのに対し、摩崖仏なんて見たことがなかったからだろう。
ということで今回も駅を出てすぐに出会える摩崖仏を楽しみにしていた。しかし年を重ねると、いくつも摩崖仏に出会う。このためか今回は感動が少なかった。摩崖仏の輪郭が子供の頃と比べて(現実にどうなのかは分からないものの)曖昧になったと感じたこともあろう。
今回は大野の摩崖仏を見た後、室生寺まで6キロの道のりを歩き、さらに少し先の竜穴神社を拝んだ。大杉の鬱蒼とした森の中に祀られた立派な神社だった。その後、竜穴神社の奥の院である竜穴に寄りつつ室生山本峰(621m)と東峰(652m)に登った。帰りは往路を下り、時間が少しあったので室生寺に入り、バスで室生口大野駅に戻った。
室生口大野駅を出たのが8時10分、室生寺に戻ったのが14時50分だった。
写真、上は大野寺磨崖仏、中は弥勒菩薩の顔の部分、下は室生寺の仁王門である。
20251227大野寺磨崖仏.jpg

20251227大野寺磨崖仏2.jpg

20251227室生寺仁王門.jpg

2025/12/27


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