
千趣会で思い出したのが日本交通公社というかJTBである。調べると戦前からあった組織らしい。戦後も、僕が子供の頃はちょっとした旅行をしようと思うと、交通公社に出向いて列車や旅館の予約などをした。混んでいるので嫌いだった。今はどうなったのか。
今も交通公社はJTBとして存続している(周知のことか)。一方、戦前の設立目的だった「観光振興」のための組織は公益財団法人日本交通公社 として存続しているそうだ。この公益財団から営利目的の旅行斡旋業務を分離、独立させたのがJTBであり、その筆頭株主として財団の名がある。要するに財団の収入はJTBからの上がりにあるようだ。
ちなみにJTBは、かつては略称だったが、今は歴とした商号(ただしカタカナ)となっている。だから交通公社という商号を目にするのはよほどの趣味人だろう。
そのJTBを千趣会から連想したのは、斜陽という意味で同類だからである。子供の頃に思った「混んでいるので嫌い」をインターネットが克服した。
実は最近まで、といっても2000年前後頃まで、国内の宿泊施設は時刻表(JTBのものが大半)の付録や旅行雑誌で調べ、電話で予約していた。海外のホテルの場合、会社の近くにHISがあり、そこで候補を挙げてもらって予約した。JTBに行くという手もあったのだろうが、HISが手軽で、当時の口コミでは競争力もあった。
それが今やインターネットで済ませられる。JTBがほぼ独占的に担っていた旅行代理業は競争過多に近いうえに、宿泊施設自身が予約サイトを持っている。そのインターネットの予約、「会員登録せえ」とか、かえって手間暇がかかるので、僕として勝手知ったる場合は電話予約に回帰しつつあるのだが。
JTBだが、予約サイトとしてJTB自身のものと、系列としての「るるぶ」のものとがあるようだ。最近、JTBのサイトに入り、ビジネスホテルを予約したところ、そのシステムがトロすぎて、「二度と使わない」と思ってしまった。るるぶのサイトも目立たなくなった。
どう考えてもJTBの競争力が落ちている。かつて独占に近かった時代に培われた企業文化がJTBの足を引っ張っているのだろう。僕の頭の中にもJTBの混雑がイメージとしてこびりついている。
2026/01/20