
東京からの帰りの新幹線、遠くの山は霞んでいた。早い春の到来を感じさせる。本当のところ、掛川付近までほとんど寝ていたから正確な情報を伝えられないながら、掛川や浜松付近からの南アルプスは、快晴に近かったにもかかわらずよく見えなかった。
掛川から振り返って見た富士山も同様だった。振り返ると後ろの席の住人の顔がよく見える。「迷惑して御免」と心の中で謝った。
次の山の期待は名古屋付近である。御嶽山は霞んでいて、「やっぱりね」だった。能郷白山方面はまったく見えず、残念だった。というのも(名前は忘れたが)メルー山で一緒だった確か福井から来た女性に、新幹線から能郷白山が見えると話していたから、できれば確認したかった。
伊吹山の残雪はごくわずか、窪みにまだら模様程度だった。同じ女性との話で初めて知ったのだが、伊吹山のメインの登山道(表参道)だった米原市からのルートが崩壊のため、入山禁止になっているとか。調べると、23年7月に登山道付近が崩壊し、それ以降、通れなくなっているらしい。
シカの食害の影響があるのだろう。草木がなくなり、雨の影響を直接受けているようだ。新幹線から見たかぎり、崩壊があちこちで進んでいるように見える。かつての薬草の天国はどうなったのか。いずれにしても「いつか、もう一度歩こう」と思っていたから、大変残念である。
そんな伊吹山を過ぎ、もう1つの目当てがあった。金糞(かなくそ)岳である。伊吹の北、新幹線からよく見える。とくに冬は真っ白に雪が積もるので目立つ。伊吹の雪がほとんどなくなっていたので「どうかな」と案じたのだか、さすが標高1300mのピーク、しかも福井との県境に近いだけに、まだ山全体に白さが目立った。
「今年の冬の見納めかな」と思いつつ、そういえば先の女性との会話で、金糞岳の話題が落ちだったことを思い出した。メルーで金糞とはと、お互い想定していなかった話題だったから。
2026/03/06